NOVEL REVIEW
<2002年10月[中盤]>
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10/20 『マーズ・アタックガール!』 著者:伊吹秀明/富士見ファンタジア文庫
10/20 『トリシア先生、休暇中』 著者:南房秀久/富士見ファンタジア文庫
10/18 『トリシア先生、奮闘中!』 著者:南房秀久/富士見ファンタジア文庫
10/16 『トリシア先生、急患です!』 著者:南房秀久/富士見ファンタジア文庫
10/15 『夕なぎの街 こころのかけら』 著者:渡辺まさき/富士見ファンタジア文庫
10/14 『AVIONII〜最後の竜騎士〜』 著者:富永浩史/富士見ファンタジア文庫
10/13 『戦え!夷皇島学園華道部』 著者:すずきあきら/MF文庫J
10/12 『チキチキのわ〜る烈風伝!! 2 ビーストハウリング』 著者:嬉野秋彦/ファミ通文庫
10/11 『ワイルドアームズ アドヴァンスドサード2』 著者:細江ひろみ/ファミ通文庫
10/11 『恋愛極刑ハイスクール1 ソレデモ僕ラハ恋ヲスル』 著者:新井輝/ファミ通文庫
10/11 『ランブルフィッシュ4 伝説崩壊編』 著者:三雲岳斗/角川スニーカー文庫


2002/10/20(日)マーズ・アタックガール!

(刊行年月 H14.09)★★★ [著者:伊吹秀明/イラスト:珠梨やすゆき/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]  地球と深い確執が存在して異星人に侵略される危機に陥ってる火星の物語。え〜とSF だし挿絵一緒で珠梨やすゆきさんだしで某電○のバ○ル○ップガー○を思い浮かべた人は 絶対私だけじゃないと思う(笑)。  まあこっちはメインが戦艦駆って戦う話じゃないのであくまで雰囲気だけね。あとがき でも触れられてるけれど、きっと火星の物語も異星人の侵略話も山のようにあるから新鮮 味ってのは薄いと思うのですが、それを補うような世界観の作り込みが細かくて良い感じ。 これだけ書き込まれるとたとえフィクションであっても近未来の世界としてリアルに受け 取れるし、何よりシーン毎にイメージしやすい描写がうまいなーと思いました。  簡単に言うと、謎に包まれた意識体の少女と原因不明で同化してしまった主人公・ナス ミが謎の異星人や戦艦や岩石の巨人をその身一つで殴りまくる話です……いやホントに(笑)。  そこだけ注目したら非常に面白い要素なんだけれど、どうにもこうにも謎謎謎だらけで しかも今回だけじゃほとんど明かされてなかったのはイカンです。ナスミの想いが意識の 同化した少女を引き寄せた、というだけは多分何となくでだけ理解出来たような気もする けど(^^;)。そもそもその少女がどういう存在なのか? 火星侵略を試みた異星人の正 体は? その異星人達が引かれるように遺跡を襲撃した目的は? これらのハッキリした 事が分からないままというのはシリーズ長編を想定してるにしてもちょーっと隠し過ぎな のではないだろかと。なのでもし続くなら伏せられてる部分をもっと見せて欲しいなぁ。
2002/10/20(日)トリシア先生、休暇中
(刊行年月 H14.09)★★★☆ [著者:南房秀久/イラスト:小笠原智史/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]  シリーズ第3巻。全く内容と関係無いのですが出来ればタイトル末尾は(!)で通して 欲しかったんだけど何故に(はぁと)? 別に(はぁと)を付けたくなるよな甘い内容の 休暇じゃなかった気がするけど(笑)、それは横に置いといて。  話は一応独立してるけど前巻ラストからの繋ぎで、別作品である『黄金の鹿の闘騎士』 の舞台にもなってるヴィントールでの休暇バカンスがトリシア達の主な目的。とは言って も異国に来てまで患者の世話焼くトリシアに休暇なんて名ばかりのものでしたが。  今回は少々話の組み立てに不満あり。具体的には主にアンリに向けられたものが彼の関 係者達に飛び火してるような、レニディスの破壊・怨念・執着心なんてものが足りてない 所。彼が抱えてるのはもっと重くドロドロしたものだと思うんだけど、1巻通して全体的 にじゃなく部分的にしかトリシア達に絡んでないから、エウラリアの事なんかも含めて最 後にアッサリと流されてる感じがするんですよね。山場として持って来てるからにはやっ ぱりレニディスの事が今回の核だろうし、それだと合間に入るトリシアの診察イベントっ て正直あんまり多くは要らないのではないかなぁと。  ただ魔法医としてのトリシアが珍妙な患者・患畜と関わるエピソードも好きだし面白い と思うだけに、長編か短編集かどっち付かずなのが惜しいかなと言った所です。こういう のはパターン化する危惧はあれど、いっそ短編集でやった方が合ってる……かも?  ところでこのシリーズ、トリシアの修行時代のストーリーが連載中だそうですが、やっ てる場所が学研の『6年の学習』じゃ買ってなんて読めんての(笑)。個人的に過去話っ て凄く読みたいのですよね〜。これは是非にと文庫収録を切望。  で、次はどうなるのでしょうね。最後のトリシアとレンの雰囲気と今後に楽しみを抱か せるせる終わり方はかなり良かったので、その辺踏まえて想像しながら待ってみたい。  既刊感想:
トリシア先生、急患です!       トリシア先生、奮闘中! 2002/10/18(金)トリシア先生、奮闘中!
(刊行年月 H12.11)★★★☆ [著者:南房秀久/イラスト:小笠原智史/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]  シリーズ第2巻。メインはアムレディア王女の婿選び騒動。そして細かな部分で魔法医 トリシアの“傷つけず決して死なせず”の信念が一杯に感じられます。序盤のビヒモスの 暴走を止めたり幽霊少女の治療をしたりとかは、人間以外のモノとも心を通わす事の特殊 能力を持つトリシアならではのエピソード。まさに今回もタイトル通りの奮闘で、魔法医 としてのトリシアの事が前回よりも深く描かれているのが面白かったです。  メインであるアムの結婚話と直接的な結び付きではなかったので、あくまでそれらのト リシアの治療自体は短編のような話。カナルの事もそうだけど、これがメインに深く関わ ってたらもっと楽しめたかなと(幽霊少女の治療はサイモニデスを出す為だけのものだっ たような気もするし……)。もっとも、作中の寄り道こそトリシアが悩み考える場所で精 神的に成長する糧となっているので決してイマイチというわけではないんです。  もうひとつ見所であろうというのが、著者の他作品のキャラが登場してる事かな? 私 は『月蝕紀列伝』読んでないし『黄金の鹿の闘騎士』は読んだけど内容あんまし覚えてな いので感慨深いという気持ちは薄いのですが(^^;)、ビアトリスとハルだけは辛うじて 「ああ、こんなキャラだったなぁ確か」と記憶の片隅に引っ掛かってました。  なんか次巻はその『黄金の鹿の闘騎士』の舞台だったヴィントールへと向かって休暇の バカンスになるそうな。こう違う物語で世界が交わるのは面白いだろうと思うし個人的に も好きなのでどうなるのかな〜と。で、前回ラストで見せつけてくれたのに何故か今回ト リシア内で友達以下まで格下げされたっぽいレンの巻き返しにも期待してるぞ〜(笑)。  既刊感想:
トリシア先生、急患です! 2002/10/16(水)トリシア先生、急患です!
(刊行年月 H12.06)★★★★ [著者:南房秀久/イラスト:小笠原智史/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]  タイトル通りトリシアによるトリシアの為のトリシアあってこその物語。こう言ってし まうと「何を当り前の事を……」と思われてしまうかもしれないけど、とにかく主人公パ トリシア(愛称でトリシア)の快活さとか落ち込んだりもするけど一生懸命な姿とか、そ ういうのが凄く良く描けてるなぁという印象でした。人間も動物も妖精も味方も敵もいい 人も悪い人も好きな人も嫌いな人も、分け隔てなく“絶対死なせたくない”の信念を貫く 為の行動なんかは読んでて思わず応援したくなってしまいました。  話の構成も最初連作短編のようで、実はそれが後々「あっ、なるほどこういう感じで影 響してるのかぁ」という感じで意表を突かれてしまった(のは私だけかもしれないけど) 作りがなかなか練られていてうまいなと。  ただトリシアやレンの背負ってる過去が、やけにあっさり流されてしまったような気が したので、そこら辺をもっと深いとこまで見せてくれたら一層キャラが際立ったろうにな ぁってのがちと心残りだった部分。まあそういうの無くてもトリシアやレンや他のキャラ の多くは充分魅力を引っ張り出せていたと思えたし、じっくり描く余裕がなかったとも思 えば仕方ないのかな? 内容としてはあんまし明るい題材と言えないけれど、トリシアや レンの過去回想は今後外伝的にでも見せて欲しい所。   あとは最後にちゃっかりやってくれちゃったレン君の行為に敬意を表したいなぁ(笑)。 いや何だかんだでトリシアとのコンビは良い雰囲気で好きですね。トリシアが『パット』 と呼ばれるのを嫌う理由もレンとの絡みでタイミング良く明かされていて、ああそれなら なるほど納得という感じでした。アンリやアムレディアの関係にもくらくらきてしまった し(^^;)、キャットやフェリノールやセルマもみんな良い味出ていて好きなので、続き で彼女ら彼らがどう描かれているのか非常に楽しみです。
2002/10/15(火)夕なぎの街 こころのかけら
(刊行年月 H14.09)★★★★ [著者:渡辺まさき/イラスト:山田秀樹/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]  シリーズ第2巻。和洋折衷ファンタジーとも言える? ような独特の世界観と、帰るべ き『家』として存在している居酒屋『夕凪』のまったりな雰囲気が印象的な物語。  前巻の感想で結構不満ぶちまけだったのですが、今回はもうその分チャラになるくらい 良かったですよ。過去と現在を繋ぐ変則的な構成もうまいと思えたし、何より錬金術と自 動人形に焦点を絞って丁寧に掘り下げて描かれていた点が凄く面白くてめちゃくちゃ引き 込まれてしまいました。そういやコウって錬金術士が目指すべきものであって、居酒屋の 料理人目指してたわけじゃなかったんだよなぁ(笑)。などと思い返しつつ、前回足りな かった彼の“目的に対する信念”みたいなものも、メインテーマとして扱われた自動人形 を通じてちゃんと描かれていたんではないかなと。  自動人形の心の概念なんかはあまり丁寧過ぎると単なる説明になってしまうし、逆に謎 を残して伏せるような書き方だとどういう意味なのか理解し難かったりだと思うのですよ ね。その辺のバランスが絶妙だったのではないかなと。しっかり理解出来て、尚且つキャ ラ同士の会話の中に自然に盛り込まれているのであまり説明的にはならない……そういう 描写があってこその良さで、面白さを感じられたのかもしれない。  ただ不満が全く無かったわけでもなかったですが。不満ってよりはあえて欲を言えばっ て風になるんだろうけど、レンの事は引っ張り続けた割に決着付くのがやけにあっさりだ った気がしたので、もうちょい彼にまつわるエピソードがあれば良かったのにというもの。 あとはマイカの使役するミルの事をもうちょい詳細まで書いて欲しかったかなと。  今後どういう方向へ話が進むかってのも楽しみだけど、次は『夕凪』に焦点を当てて居 酒屋の中での飲んだくれ客のエピソードとか、そういうほのぼの〜とした部分から事件性 へ発展するとか、そういうのを読んでみたいかも。    既刊感想:
十八番街の迷い猫 2002/10/14(月)AVIONII〜最後の竜騎士〜
(刊行年月 H14.09)★★★☆ [著者:富永浩史/イラスト:鷲鷹ゆりひさ/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]  次巻あたりで終わる短期決着かと思いきや、なかなかどうして想像してたよりずっと奥 深い物語のようで。まあ仮にあっさりガングートを落としてしまったとしても面白くない し、国家レベルで戦争やってんだから複雑に入り組んでる背景をじっくり見せるのも当り 前と言っちゃ当り前なのですが。  目まぐるしい状況の推移を体験した前巻とは打って変わって、戦力増強という名の潜伏 機会を得て、じっくり自分自身が抱いてるモノと向き合う事が出来たリョーチャ。今回は 空戦よりも、アディンやレオンといった男達の言葉に自分の考えを揺さぶられ翻弄されつ つ、「今何をすべきか?」を常に迷いながら模索し続ける彼女の心情を描く方にぐぐっと 惹かれました。敵とは言え他者の命もろとも射つか否かで幾度も葛藤する様子なんかは特 に印象的で、これは彼女の中で逃れられず今後も向き合わせてく事なんだろうなと。  リョーチャ絡みで他に、以前はお嬢様然としてたのが徐々に庶民の色に染まってゆく姿 とか良かったかも。そうならざるを得ない状況なんだけど彼女にしては珍しい洗濯とか料 理とかやってるシーンもあったし、何よりあまり恋愛感情で男を見てなかったのが不意に 迫られて赤くなってる辺りなどはとても新鮮でしたよ(笑)。アディンなんかは「迫る」 の意味合いが単に好意を寄せてるのとはちょっと違うかもしれないけど、表に出さないだ けで守ろうとする意思は強く感じられるし。最後にあの状況になったって事は本命はアデ ィンなのか〜? 個人的にはボリス君に色んな面でもっと頑張って欲しいんだけど(笑)。  敵味方感情思惑入り乱れ、キャラも結構増えてきた事で冒頭にキャラ紹介か相関関係図 なんてのを付けて欲しいのですが(次でまた新キャラ登場するみたいだし)。  今回の終わり方がアレだっただけに想像し辛いのは次巻で誰が何処からどのようにして 動くかという事。描写を見る限りフェレーラは微妙だけど、単発では終わって欲しくない キャラなんだよなぁ……。復活したフォルカー(と影の存在)も、今後どうリョーチャ達 と関わってゆくのか気になる所で続きも楽しみです。  既刊感想:
T 2002/10/13(日)戦え!夷皇島学園華道部
(刊行年月 2002.09)★★☆ [著者:すずきあきら/イラスト:じじ/メディアファクトリー MF文庫J]  途中までは良かったんだけどなぁ……どうして最後まで猫気質アンドロイド少女とのど きどき同居&学園生活コメディのまま行ってくれなかったんだよ〜。そもそも後半のアー ミー野郎どもを登場させる必要性が果たしてあったんだろうか? と考えてしまうとあの 終盤のきっ子の扱いと結末には激しく納得出来ない所があったのですよね……。  しかしそれより最も気に入らなかったのは主人公の存在そのものでしたが(笑)。これ も“中盤以降から”と注釈入れる感じで、特にきっ子に対して向ける言葉とか接し方とか。 きっ子をどう扱うかうじうじ葛藤してるだけの頃はまだ見れる方だったんだけど、最後は 「オマエ自分でけしかけた癖に何終わってから奇麗事並べ立てて後悔してやがる何だかん だ言って結局おのれの所有物としか扱ってなかったじゃねーか」となってしまったわけで す。こういう結末も嫌いではないけれど、終盤の戦闘はきっ子の存在をエピローグへ向か わせる為だけのもので、どうしても取って付けたような短絡さが鼻に付いてしまい後味の 悪さが大きく残ってしまいました。  まあさえない主人公の男が事ある毎に女の子達にもてまくるってのを踏襲してないだけ まだマシかと思う所もあったけど(笑)。折角『孤島の学園で学生主体の街』っていう面 白い設定なのだから、個人的にはお約束でもいいのでもうちょっと学園ラブコメ色を強く してそれメインで話を進めて欲しかったなぁ。
2002/10/12(土)チキチキのわ〜る烈風伝!! 2 ビーストハウリング
(刊行年月 2002.08)★★★★ [著者:嬉野秋彦/イラスト:せたのりやす/エンターブレイン ファミ通文庫]  おおまかに見てやってる事が前巻と全然変わってね〜というわけで、面白さの8割くら いをキャラクターが背負ってる物語(笑)。ストーリーは天界でトラブルが起こって、そ の尻拭いを鳳月と星秀が半ば押し付けられるような形で任されて、途中途中で敵と交戦し つつ最後のボスを鳳月が撃破する、というパターン。主人公の鳳月が特に目指す目的持っ てないのもあるだろうけど、これに加えて鳳月と星秀のどつき漫才ばかり見せられるのが 今後も続くとさすがに飽きも早くなるかなぁ……。  ただ、そんなのは気にしないで軽い気持ちでキャラクターの行動を追って笑いながら楽 しめるのがこの物語の特徴であり面白い部分ではないかなと。後は読み手に合うか合わな いかの違いだけで。文章もまず何は無くともキャラを立てる事を最優先にして書かれてる 感じなので、一人一人の行動に凄く躍動感があって惹かれてしまうんですよね。  今回は角川スニーカーで主役張ってた淑芳、麗芳がいよいよ登場。更にドタバタ賑やか になっとります。というより鳳月君の主役の座が危うい?(笑) どうもこの双子姉妹は 引き続き準レギュラーとして出そうなので、鳳月星秀と共に↑のパターンを打破すべく1 巻完結じゃない長めのストーリーを持ってきて見せて欲しいな〜とか。星秀の香恋奴への 歪んだ執着心も含めて(笑)キャラで楽しませてくれる話の続刊に期待。  既刊感想:
2002/10/11(金)ワイルドアームズ アドヴァンスドサード2
(刊行年月 2002.09)★★★☆ [著者:細江ひろみ/カバーイラスト:大峡和歌子          /本文イラスト:笛吹りな/エンターブレイン ファミ通文庫]    同名ゲームの小説版第2巻。今回はクライヴの里帰りからゲームでの前半戦クライマッ クス、ジークフリードの降臨まで。寄り道せずに脇道逸れずにあくまでゲームのシナリオ を忠実に辿ってるのは前巻同様。なので安心して読める反面、面白みに欠けると言ってし まえばそれまでだけど、キャラクター同士の何気ない会話や行動の細かな様子はゲームじ ゃ体験出来ない部分なので、その辺はよく描けてると思います。これも前巻と同じくだけ ど余計な戦闘シーンをうまい具合に省いてるのも読み進め易くて○です。  何にしてもやっぱりゲームプレイしてる事が前提となってる物語なので、未プレイの人 にはどうだろうなぁと思う所もあるのですが……実は私もまだ終わってません(^^:)。 2巻のラストまでは進んでるけどね。だから多分この物語の語り部であろうベアトリーチ ェの事はよく分からないのです……。ここが小説版の見所のひとつではないかなと。  今からプレイして最終巻発売までに終われるかなぁ? という感じで、まあエンディン グ見れなくてもその時は未プレイ者としての感想を書けるわけだからいいか……?(笑)  既刊感想:
2002/10/11(金)恋愛極刑ハイスクール1 ソレデモ僕ラハ恋ヲスル
(刊行年月 2002.09)★★☆ [著者:新井輝/イラスト:Bou/エンターブレイン ファミ通文庫]  何が拙いかって言えば“恋愛極刑”つー設定がカケラも活かされてない事なんじゃない だろか?(前半はまだ兆しがあったけど後半は特に蔑ろ……) さらにもっと拙いのは前 半と後半の内容・雰囲気がガラリと変わりまくってる事……ではなくて、そのふたつの繋 げ方。片方だけ見てれば実はそんなに酷いと思うほど嫌でもダメでもなかったのですが、 どうして男1:女多数のラブコメ風味からシリアスアクションに変化したのか本気で全く 分からなくて、後半は「今何を読んでるんだろう?」と呆然としてしまいましたとさ。前 半と後半で作品違うじゃねーかと思わずツッコミ入れたくなったよ(笑)。  通してどっちか片方のノリでやってくれればまだマシだったのに、と感じたのはひとえ に脈絡なく唐突に途中で内容と雰囲気がチェンジしてしまい、説明&描写不足なのもあっ て話についていけなくなっちゃったから。  別にありきたりギャルゲー風ラブコメでもシリアスアクションでも、これだけの個性的 なキャラが揃ってたら嫌いにはなり難いはずなんだけどな〜。途中で話が激変するはいい けど、そこに至るまでの納得のゆく展開を見せてくれないと面白いとはなれないのです。
2002/10/11(金)ランブルフィッシュ4 伝説崩壊編
(刊行年月 H14.09)★★★☆ [著者:三雲岳斗/イラスト:久織ちまき/角川書店 角川スニーカー文庫]  恵里谷闘専学内RFトーナメント試験準決勝、ガンヒルダ対恵里谷最強の貴公子・藤真 蒼威のRFプロトシグリッド戦……がメインかと思ってたら、どうも詰め込み過ぎで全体 の僅か一部分に縮小されてしまったような気も。個々のエピソードは良いモノばかりなん だけど、それらが纏まりうまく噛み合ってるかどうかと言えばちとイマイチ。    多くは今後の伏線として絡んでるらしいので不必要とは言えないけど、今回に関しては 次巻以降に持ち越しても構わないような贅肉的エピソードが結構あったように思えたので、 個人的にはそういうの削ぎ落として沙樹や瞳子がプロトシグリッド攻略へ臨む展開をじっ くり見せて欲しかったという感じ。その合間に裏で暗躍してる人達の様子をちらちらと描 いてくれるだけでも充分だったのだけどなぁ。香夜が試合に自分の夢を重ねるのは、彼女 の事(過去や学校での様子など)がもっと深く掘り下げて書かれていたら際立ってたかも と思うと惜しかったり勿体無かったり。  ただ、試合前の高揚感から試合そのものと決着までの迫力・緊張感を含む描写は流石と 思わされるうまさを感じました。私はこれで詰め込み過ぎ&大風呂敷広げっ放しなままの 不満が少しは解消されたかな。トーナメントで始まりトーナメントで終わると予想してた のも、何となくこれまでが前哨戦であってこれからが本番みたいな終わり方が結構良かっ たので続きに期待が掛かります。相変わらず伏線張りまくりな部分や謎が目一杯でそれを 引きつつ隠したがる部分なんかは三雲さんらしい描き方だなぁと思いましたが(笑)。  しかし1巻の時でさえ人数多いなぁと思ってたのに、4巻まで来て更に登場キャラ増や そうとしますか?(^^;) 冒頭キャラ紹介時のイラストは要らんので、名前と一行紹介 だけでも主要キャラ全員分載せて欲しいぞ〜(今のキャラ紹介は全然役に立ってないよう な気がする……)。多いのは構わないけど広げたものはしっかり纏めて欲しい所。  既刊感想:


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