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06/10 『斗姫 To^-ki 花の章』 著者:吉岡平/富士見ファンタジア文庫
06/09 『風の聖痕3 ―月下の告白―』 著者:山門敬弘/富士見ファンタジア文庫
06/08 『EME BLUE2 パンドラミミック』 著者:瀧川武司/富士見ファンタジア文庫
06/07 『EME RED1 A Mission After School』 著者:瀧川武司/富士見ファンタジア文庫
06/06 『伝説の勇者の伝説3 非情の安眠妨害』 著者:鏡貴也/富士見ファンタジア文庫
06/05 『とりあえず伝説の勇者の伝説1 脱力のヒロイック・サーガ』 著者:鏡貴也/富士見ファンタジア文庫
06/03 『ラッシュ・くらっしゅ・トレスパス! すれ違いのハードミッション』 著者:風見周/富士見ファンタジア文庫
06/02 『悪魔のミカタ9 It/ドッグデイズの終わりかた』 著者:うえお久光/電撃文庫
2003/06/10(火)斗姫 To^-ki 花の章
(刊行年月 H15.02)★★★
[著者:吉岡平/イラスト:みけおう/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
近未来の設定で、新体操界で期待の星と言われた少女・七瀬蕾が突如女子総合格闘技界
へと転身し、蕾の成長と各団体同士の抗争を描いた物語。なんか読んでみて昔懐かしのP
Cゲーム「レッスルエンジェルス」を思い出してしまったのですが、知ってる人(ってい
るのかな?)なら雰囲気はあんな感じと想像してもらえればイメージ掴み易いかも。あっ
ちは女子プロレス団体の話でこっちは女子総合格闘団体という違いはあるけれど。
とりあえず読む前に頁をぱらっと捲ってみて、文章量より空白の部分が目立つ程ぺらぺ
らだったので話の中身が非常に不安だったのですが、読了してみてその通りだった部分と
そうでもなかった部分とが半々と言った所。
ストーリー、キャラクターの行動と心情、そしてこの作品で大きな要素を占めるであろ
う女性選手同士の格闘戦……などなど、あらゆる部分において圧倒的に描写が不足してる
のは如何ともし難い感じ。どうにも肉付けが足らなさ過ぎなので、全体的にあっさり淡白
を通り越してスカスカな印象しか残らなかったんですよね。
ただ、ある時点で明かされる作中の世界観に興味深さと面白さが感じられたし、何とな
く直情傾向が多いキャラクターの性格や現在の女子格闘界の情勢や団体同士の軋轢などは、
あっさりしてるお陰ですっと頭の中に入ってしまうくらいの分かり易さだと思います。
まだ序章のような段階で盛り上がるのはおそらくこれから、伏線も気になる所で目一杯
張られてるようなので、描写の薄さで切り捨てるには少々惜しい。今後徐々にキャラクタ
ーの魅力や格闘戦の面白さを描いて見せてくれたらなと。
2003/06/09(月)風の聖痕3 ―月下の告白―
(刊行年月 H15.02)★★★☆
[著者:山門敬弘/イラスト:納都花丸/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
今回は煉が主役で初恋に悩み悶え苦しむ様子を描いたショタ心を擽る煉の魅力満載なお
話。12歳のお子様だから、一目惚れした娘に向ける素直で純粋で純情な想いなどは嫌味
が無くて可愛いものです。さすがプロフィールに《弟属性》と掲げられているだけあると
言うのか、とても悪役気取りで闊歩する和麻の実弟とは思えない。
……はずだったのですが、煉ってこんなに積極的に炎術を振るって戦える少年だったっ
け? とは読んでいて感じた事。炎術師が史上最強という自覚を持ってる辺り、煉の事だ
から決して意識はしてないにしても、何となく戦いの時に他の流派を自分より下に見てる
ような感じが兄の和麻と通じてるのかなと。その為かこれまでの煉のイメージと少々ズレ
て違和感を抱いてしまったんですよね。綾乃を凌ぐとまで言われてる潜在能力がいざと言
う時しか発動しなくて、普段は「兄さまぁ〜姉さまぁ〜」と和麻や綾乃に頼りっ放しの情
けなさとへなちょこ振りが煉の可愛らしさのツボだったような気もするのですが。
もっとも、好きになった娘の生命の危機というのは煉にとって『いざと言う時』以外の
なにものでもなくて、命懸けで救おうと戦いを挑む姿勢は納得出来るもの。ただ何となく
普段の煉らしくない行為。つまりは完璧に恋は盲目状態に陥ってる訳です。
和麻と綾乃の力による破壊活動はいつもの如く、でも今回は煉を引き立てる為に脇役に
徹しているような扱い。煉に対しては過激だったりいい加減だったりな助力やアドバイス
ばかりだけど、二人とも多少は良い兄さま姉さま振りを見せてるようで、煉の前では無条
件で無意識の内にそういう態度を取れるのかも。
しかしまあ話の中身は相変わらず捻りも少なくベタな展開ばかり見せてくれてますが、
個人的にはストーリーで引き込むよりキャラの魅力を見せる事で引き込むような描き方か
なと思ってるので、キャラが好きでいられる限りはベタベタなのでも構わない。体が痒く
なるようなクサい台詞も、煉が照れながら真剣に告げるならそれはそれで良いもの。
でもいい加減そろそろ思わせ振り続きな和麻の過去には触れて欲しい。
既刊感想:1、2
2003/06/08(日)EME BLUE2 パンドラミミック
(刊行年月 H15.05)★★★★
[著者:瀧川武司/イラスト:尾崎弘宜/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
現在編の長編第2巻。今回は蒼が表に出てこなくて、紅が彼女にからかわれたり弄ばれ
たりする事が少ないせいか(そればかりが影響してるわけじゃないけれど)、ギャグ混じ
りの笑いに転じるシーンも控え目。代わりにカーチェイスや銃撃戦など、特に紅のアクシ
ョンシーンの数々はなかなか格好良く描かれていたのではないでしょうか。たとえ組織の
一員として任務に当たってる事を半ば無視するような、迂闊で無謀な先走った行動を取っ
たりしていても、それこそ紅らしさが出ている駆け抜け方でいいなと思う。
ただ、そういう雰囲気になるような話でないのは分かってるんだけれど、中盤まで行動
を共にしていた茜と本当に微塵もどうとも何ともなってないのはやっぱり何となく寂しい
気がする。いくら任務優先でも車の中で二人っきりなんだから……と言ってもデコトラに
ボコボコ体当たりされてたらいい雰囲気になってどぎまぎする所じゃないか。
嘘か真か開けると世界が滅亡すると言われる『パンドラの箱』の行方を追い掛け続け、
箱が開くのを阻止するのが主なストーリー。敵方である涅川槃三・升ノ介親子の、箱の中
に住まわせ飼い慣らし己の武器として使用する『ミミック』というのは、盛り上がりを後
押しする意味でも面白い設定だなと。ミミックの完成型を求める槃三の異常なまでの執着
と、それの犠牲に晒され続けた升ノ介と升ノ介が抱える箱の中の生物との親子関係の描写
も良かったです。茜が無償の思い遣りで升ノ介に接しているのも、紅が升ノ介に幼き日の
自分の姿を重ねて怒りに燃えるのも同様に。
結果としてはうまく収まって、けれども最終的に紅に委ねられた最も気になるあれは気
になるままで真偽の程は明らかにされず。それはもどかしい事でもありながら、性質から
して永遠に知らない方が良い事なのかも。例えば役割が紅でなくて他の誰かだったとした
ら、迎える結末は違ったものになっていただろうか? なんて考えたりもしましたが。
しかし今回はEME内と知らない別の何処かと、やけに過去に絡まる不穏な動きが多か
ったのは、おそらく今後の伏線となっているのでしょう。キャラクター増殖も盛り上げ強
化要員とも取れるし(個人的には紅の幼馴染みキャラの桃子が好感触)。とにかく今は居
ない黒部やスミレはどうなってしまったのか? など過去に何があったのか気になりまく
りな内容だったので、次は『BLACK』を持ってきて欲しい所。
既刊感想:EME BLACK 1
EME BLUE 1
EME RED 1
2003/06/07(土)EME RED1 A Mission After School
(刊行年月 H14.12)★★★☆
[著者:瀧川武司/イラスト:尾崎弘宜/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
ドラゴンマガジン連載分+書き下ろし短編を加えた短編集。よもや黒青赤と一本のシリ
ーズで三色揃えてくるとは思ってもみませんでした。『BLACK』の過去編『BLUE』
の現在編長編作に対して『RED』は現在編連作短編で、大きな事件の合間に起こってる
些細な事件をやっつけ仕事のように追いかける様子が描かれています。
しかし紅と蒼乃丞が初めて組んだ事件で茜と出会うEMEの原点や、その次の紅と茜が
組んで事件に当たる話まではわりと普通にPCの捕縛あるいは殲滅任務をこなしてるよう
に見えたけれど、その次辺り(紅がライオン男と闘ってるやつ)から微妙にテンションが
おかしくなっていってるような気がするのは気のせいでしょうか? 真面目に全力で妙な
事変な事バカバカしい事をやっているような感じ。特に紅の行動にそれが顕著に表れてる
ようで、ぶたまん公園のとか乱と競ってるのとか見て「しょーもない事やってんなぁ」と
苦笑を漏らしつつ思ってしまいました。ただ別にそれがダメとかってのではなくて、むし
ろ紅のコミカルさが笑えるくらい滲み出ていて好きですねこういうの。
蒼乃丞が紅と組む時に必ず彼をオモチャにしてからかって弄ぶシーンが一番好きで、逆
に紅と茜はお互い好意を抱いてるだろうに二人の性格故か連載がまだ始まったばかりの頃
の話故か仕事以外じゃまるで接近するシーンがないのがちと不満、と言った所。
書き下ろしは蒼乃丞が格の違いを見せ付けてくれた話も、三色ショートの微笑ましい茜
とワットくんの話や山小屋と雨味&雪味の変な話も面白かったです。まだ少ししか出てな
いけど、短編専用キャラの良子と乱もアクの強過ぎな性格がなかなかに良い味。
既刊感想:EME BLACK 1
EME BLUE 1
2003/06/06(金)伝説の勇者の伝説3 非情の安眠妨害
(刊行年月 H15.05)★★★☆
[著者:鏡貴也/イラスト:とよた瑣織/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
『とりあえず……』の1巻やこのあとがきで“面倒臭い事やってんなぁ”と読者に思わ
れるでしょう、と言われてるのに激しく納得。おそらくライナとミルクが出会うシーンの
事なんだろうけど、確かにこういう手法取るから余計な所で頁増量の手間が掛かってるわ
けで面倒臭い事だなぁとは思いました。
ただ、ミルクの心の内の気持ちを短編と比較してみると、明らかに描写に違いが出てい
て面白い。これが狙いだったのかな……と勝手に解釈しましたが、もしそうだとしたらま
どろっこしいと感じながらも短編と長編とで分かれてる所をうまく活かした見せ方ではな
いかなと。なかなか普段の印象からは内面まで読めないもので、てっきり短編のぽけぽけ
ミルクが本質だと思ってた所、長編で意外な一面を見たような感じでした。
基本的に長編はシオンサイドのローランド内政と、ライナ&フェリスサイドの勇者伝説
遺産探索の交互描写展開。これはハッキリとシオンサイドの話の方が好きです。改めて読
み比べると、若干コメディ色は控え目なんだけど結局ライナはどうも短編とやってる事が
一緒のような気が……。この辺で長編はシオン、短編はライナと線引きした方が良かった
んじゃないだろか、なんて思ったりもしたのですが。
今の所互いの繋がりは離れていて雰囲気も落差が激しいせいか、全体的に噛み合ってな
くて多少ちぐはぐに感じられたりもするけれど、所々に世界の激動を予感させる描写が盛
り込まれているので、明確になるに連れてシオンとライナの歯車も噛み合ってゆくものと
期待したいです。特にシオンとライナが深い場所に抱えてる暗い闇の部分が今後どう影響
するのか、それから一見迂闊に見えるどんな行動にさえ意図的なものを感じさせるフロワ
ードにどんな真意があるのかが気になる所。
既刊感想:伝説の勇者の伝説 1、2
とりあえず伝説の勇者の伝説 1
2003/06/05(木)とりあえず伝説の勇者の伝説1 脱力のヒロイック・サーガ
(刊行年月 H14.12)★★★
[著者:鏡貴也/イラスト:とよた瑣織/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
ドラゴンマガジン連載分+書き下ろし中編を収録した『伝説の勇者の伝説』短編集。
“とりあえず”勇者伝説の遺産を回収する旅が名目で、読んでいて“脱力”するような
ライナとフェリスのコントなノリでの変な行動にはまさにうってつけのタイトル(内容に
沿うような付け方が狙いだったのかどうかは分からないけれど)。
本編との違いはシオンが名前だけで実際には登場していないのと、本編2巻までにはま
だ絡んでないミルクと『忌破り』追撃部隊のメンバーが早々にライナ&フェリスと出会っ
てる事、それからあくまで勇者伝説の調査は添え物のような扱いでライナとフェリスの漫
才がメインとして描かれているような内容……こんなんでいいのか? いや、楽しく笑い
飛ばせりゃそれでいいのか? と、ちょっと頭を悩ませてしまいました。
元が短編での誌上連載だから、毎回同じような描写や説明(ライナとフェリスの容姿・
性格とか魔法の形式とか複写眼の事とか)が入るのは仕方ないにしても、ライナがフェリ
スにねちねちと虐め抜かれたりミルクが最悪のタイミングで関わって酷い目見てしまう光
景などは、どうにも形にはまり過ぎていているような気がします。美味しい料理も全く同
じものばかり出され続けると終いには飽きてしまうのと同じパターン。
それならストーリーの中身に工夫を凝らして欲しい所なのですが、長編と同じように勇
者伝説の探索をしていて、しかも旅が次の国次の国へと進んでいるので、これじゃ長編と
似たようなもので別に短編で同じ事繰り返すようにやらなくてもいいのでは? と読みな
がら思ってしまうのです。いっそ長編の勇者伝説に関わる事は切り離して、旅の途中での
妙珍エピソードを並べて描いてくれた方がパターンを打破出来るんじゃないかなぁ。
その点書き下ろしの話は、短編でのネタを微妙に絡めていてライナ&フェリスのパター
ンが薄いから面白かったのかも。感情表現がおかし過ぎるフェリスが手紙に見せたライナ
に対する微かな本心(かどうかも怪しい微かなものだけど)は微妙に良い感じでした。
既刊感想:伝説の勇者の伝説1、2
2003/06/03(火)ラッシュ・くらっしゅ・トレスパス! すれ違いのハードミッション
(刊行年月 H14.12)★★★★
[著者:風見周/イラスト:おときたたかお/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
シリーズ第2巻。セキュリティシステムの穴を探すべく、泥棒や賊になり代わって実際
に依頼主宅へ殴り込みを掛けセキュリティと対決する『侵入屋』トレスパスの物語。
今回は莫大な借金背負って倒産の危機に直面し、資金繰りに喘いで足掻いて一生懸命頑
張るマナ達メンバーの姿を描いたもの。元々前巻からこの『侵入屋』の設定ってのは興味
を惹かれる発想で凄く好きなのですが、更に今回は話の軸を『侵入屋』としての仕事ひと
つに絞り『侵入屋』の存在に携わるメンバーの心情もうまく絡まっていたので、前巻より
も数段面白いなと感じられました。
敵側がそういう意図で臨んでないのは分かっていても廃城での攻防はもうセキュリティ
チェックで侵入する程度を軽く超えてるよ、とか絶体絶命で彼が登場してその力に頼らざ
るを得ない所はお約束かな、とか少々横槍入れたくなる部分は他にも確かにありました。
が、最初相変わらず連戦連敗だったのが死に物狂いで連勝を重ねて最後の大博打に挑む
……この展開の流れで侵入屋の仕事をじっくり所はしっかり描けてると思います。
それに前は曖昧だったレイヴァの過去も大分明確に触れられていて、常に無愛想・無表
情・無感動ながらマナに対する微妙な心の揺れ動きはよく表れているなと。
トレスパスのメンバー内ではあえて過去の話題に触れるのを避けようとしてるみたいで
すが、そういう事をされると逆に気になってしまうのが読み手の心情というもの。まあ誰
も彼も断片的で語られてるのを聞く限りでは一癖も二癖もありそうな感じ。キールに関わ
るカリギュラの存在にしても、明確にされたとは言え深く掘り下げればまだ色々と出てき
そうなレイヴァの過去にしても気になる所。あとは続編が刊行されてくれるかどうか。
既刊感想:ラッシュ・くらっしゅ・トレスパス!
2003/06/02(月)悪魔のミカタ9 It/ドッグデイズの終わりかた
(刊行年月 H15.05)★★★★
[著者:うえお久光/イラスト:藤田香/メディアワークス 電撃文庫]→【bk1】
凄まじき姉(撫子)妹(美樹)喧嘩――というより姉の方が一方的に逃げる妹とその恋
人を追い詰めようとしてる構図。前編がカーチェイスならこの後編の始まりはヤクザと悪
魔のミカタとの派手な銃撃戦。アトリが普通の無邪気な女の子なんかじゃないというのは
シリーズの最初から分かっていた事だけれど、これまであまりに彼女の本質的な部分が表
に出なさ過ぎてただの『コウの妹』が定着していたので、失念しかけていた『悪魔』の顔
の部分を改めて見せつけられ思い知らされました。
アトリは終盤のランドールとの会話でも、思わず身を乗り出して聞き耳立てたくなりそ
うな物語の中で非常に重要と思える事を言ってます。特に悪魔と契約した時に成立したコ
ウの『代行者』としての立場ってのは、「本当はそういう事だったのか」と意表を突かれ
たような気分でした。そして実はアトリ自身の中でもコウを想う並々ならぬ感情を抱いて
いるのが伝わってくる。いつものお子様な感情とは全く異なっていたので、まるで別人の
ような印象だったかな。それを見せるのが意図する所だったのかも知れない。
ランドールが撫子に告白→プロポーズな流れは、多少いきなりで唐突に思えてもお互い
が一目惚れでヒートアップしてるので納得。ただ前巻で部長とコウを勘違いしてるのが結
構重要所と予想してたけど、全然触れられてなかったので何となくしょんぼり気分。
ランドールには、銃撃戦の辺りから少しずつでも撫子との触れ合いを見せて欲しかった
のですが、いきなりだからこそ彼が傷心の撫子をまるごと包み込むシーンが際立っていて
良かったのかなとも思えたので微妙な所。ただ《It》とはそして『代行者』とは何なのか
――この辺がかなり明確に語られていたのも含め、《It》を巡ってのコウとの戦いは決着
まで目が離せなくて非常に面白かったです。
しかし最も凄い奴と思わせてくれたのはコウで、ランドールとの戦いでも勿論充分見せ
てもらいましたが、味方の美樹より敵の撫子に感情移入してる辺りもああやっぱりこいつ
は一味違うなと。気持ちが吹っ切れて復活を見せたコウがBOSSとやってのけたセッシ
ョンシーンは、高揚感があって徐々にコウに対して震えがくるような描写で唸りました。
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