NOVEL REVIEW
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05/19 『ルナティック・ムーンII』 著者:藤原祐/電撃文庫
05/18 『おねがい☆ツインズ2 二人と一人』 著者:雑破業/電撃文庫
05/17 『おねがい☆ツインズ1 一人と二人』 著者:雑破業/電撃文庫
05/15 『ポストガール3』 著者:増子二郎/電撃文庫
05/13 『アリソンIII<下> 陰謀という名の列車』 著者:時雨沢恵一/電撃文庫
05/12 『空ノ鐘の響く惑星で3』 著者:渡瀬草一郎/電撃文庫
05/11 『銃姫1 〜Gun Princess The Majesty〜』 著者:高殿円/MF文庫J


2004/05/19(火)ルナティック・ムーンII

(刊行年月 2003.12)★★★☆ [著者:藤原祐/イラスト:椋本夏夜/メディアワークス 電撃文庫]→【
bk1】  どこまでも交わらない主人公とヒロイン。エデンの外と内とでルナとシオン(プラス一 部脇キャラ)の状況を交互に描き、後半の同時襲撃を転換点に離れた2つの心を徐々に近 付け再び交差させる所まで読み手を導く構成。お互い相手の事はほとんど何も理解してい ないまま遠ざかっていながら、己の力の振るい方に悩み不器用な感情しか表に出せない姿 がどこか重なるルナとシオン。実際に前巻と合わせてもこの2人の絡みは相当少ないんだ けれども、エピローグで多くを語らわずとも理解し合えてるように見えるってのは、多分 無意識の内に似た者同士の匂いを感じ取れているから。今回はケモノ殲滅とエデン内襲撃 の事件よりも、この2人の本質を描く事に重点が置かれていたような印象でした。ようや く落ち着いて交差を果たしたので、次巻以降はもっと2人の触れ合いが見れるかな?  2点の収束具合はそれ程悪くなかったんだけれど、ネックは曖昧で思わせ振りでよく分 からない部分があまりに多い所。終いには「結局この事件って何だったの?」と問い返し たくなるくらいに。一応カロマインやレインの口からそれとなく黒幕っぽい存在は語られ ているにしても、やたらと「あいつ」だの「あの人」だのと隠したがるのでどうしようも ない。次はもうちょいとエデンの過去の因縁などに詳しく触れてくれる事を期待。  この文章は最初の言葉に別の言葉を重ね更に違う言葉を重ね他の言葉を重ね――という 装飾が物語のあらゆる箇所で見られる。こうあちこちで使われてしまうと、正直ちょっと 胸焼け起こしそうなレベルでクドさを感じてしまうんですけど、惹き込ませる手法として は嫌いじゃない。まあ好みから拒絶までハッキリ分かれそうな気もするけれど。  読んでいて混乱したのは13人の首脳陣。固有名が無いので余計に誰が誰だか分からん です。これだけは全く書き分けが出来ていないので、今後もバタバタと登場するなら不安 感が増してしまいそう。せめて名前をあげた上で少数に絞って登場させて欲しいなと。  既刊感想: 2004/05/18(火)おねがい☆ツインズ2 二人と一人
(刊行年月 2004.05)★★★☆ [著者:雑破業/カバー・本文イラスト:羽音たらく        /口絵イラスト:合田浩章/メディアワークス 電撃文庫]→【
bk1】  あとがきで書かれてる“アナザーストーリーでギャルゲーの別ルート”ってのは、なる ほどまさにその通りの内容。よもや他人か肉親かの決着をつけるラストエピソードにまで、 小説版での深衣奈と樺恋の仕掛けを活用して来るとは。以下ネタバレ反転で、ストーリー 展開は変わらずなのに、深衣奈と樺恋の立場を最後までアニメと逆転させる要素は本当に ナイスアイディアと感心させられました。つまりアニメでは樺恋が麻郁の肉親で深衣奈が 他人、小説では深衣奈が麻郁の肉親で樺恋が他人という事。最後にどんでん返しが控えて いるのも分かっていたけれど、2人の視点が違うからどこか新鮮で面白く映る。  考えてみればこれは徹底的なアニメ視聴者向けと言える作品。物語そのものが面白いか どうかは別としても、深衣奈と樺恋の立ち位置がアニメと全く正反対を向いている部分に 関しては、先にアニメを観ているからこそ相違を比較しながら楽しめるというもの。  話の流れはほとんど一緒なので、アニメでイマイチと感じた後半部分はやっぱり小説版 でもイマイチだった。最後の肉親か他人かで揺れる麻郁・深衣奈・樺恋の姿が凄くいいだ けに、その過程で肉親なのか他人なのかを悩んだり迷ったり葛藤したり……という感情描 写が弱いのは勿体無い。海水浴もきもだめしも夏祭もイベントエピソードとしては楽しく 読めるんだけど、そういうのは出るか分からないけど外伝的な短編集にでも回しといて、 空いた分だけ“肉親か他人か”を重点的に描いて見せてくれてたらなぁと。  結局幾つかの謎は残されたままだし、それを麻郁の「もう過去は必要ない」の一言で切 り捨てられてしまっては少々納得がいかない。写真のように平穏な過去に一体何があった のか――特にここが不鮮明。過去について掘り下げて描いてもらえなかったのは残念。  ただ椿の感情と過去回想を、麻郁・深衣奈・樺恋の微妙な関係にぶつけてみせる展開は なかなか良い感じ。椿の場合も肉親(弟)への感情と恋愛感情が絡んでいて、もろにそれ で悩んでいる3人との対比がうまく効いている。その時の『停滞』という言葉で苺の感情 が揺さぶられている辺りは、前作を知っているとニヤリとする事請け合いな心憎い演出。  次巻3人で3Pって……冗談? その後の3人を書いてくれたら嬉しいのに。  既刊感想: 2004/05/17(月)おねがい☆ツインズ1 一人と二人
(刊行年月 2003.11)★★★★ [著者:雑破業/カバー・本文イラスト:羽音たらく        /口絵イラスト:合田浩章/メディアワークス 電撃文庫]→【
bk1】  同名アニメの小説版。主人公の麻郁に対し、一人は肉親もう一人は他人でどちらが肉親 か他人から不確定な2人の少女と合わせて3人の同棲生活。基本的な流れはそれ程変わら ずでしたが、単なるアニメシナリオのなぞり書きではなくて、小説版ならではのアレンジ をしっかり盛り込んで効かせている点は好感触。小説の方が先でも問題なく読めて、アニ メを先に視聴しているなら小説に描かれているアニメとの相違点で更に楽しめる内容。 (以下、ネタバレ反転表示に修正しました。もう見ちゃった人ごめんなさいです……)。  アニメとの比較で特に良かったのは、前半部分での深衣奈と樺恋の行動が丸々入れ替わ っている点。例えば最初に麻郁との出逢いでスクーターと激突しそうになり、先に麻郁の 家に上がって彼の頭を悩ませ、来客のチャイムで玄関を開けようとしたり、迷惑と思い麻 郁の家を出て行こうとするのがアニメでは全部深衣奈だったけれど小説では樺恋。逆に最 初『不思議ちゃん(まりえ)』と一緒で、後から麻郁宅を訪れ、家を出ようとする前にド ア越しで麻郁と会話しているのがアニメでは樺恋だけど小説では深衣奈――という具合。  料理のシーンとかはどうだったか……樺恋が下手って設定はあったかな? 記憶が薄れ ているので細部まで語るにはちょっと自信無しですが、2人共に立場がまるで一緒なのを 最大限に活用したこの手法はなかなか見事。深衣奈と樺恋は性格が全く違うので、アニメ で相手が取った行動を真似ているとしても、感情まで真似る事は出来ない所が面白い。  元々3人が家族の温もりを求めて出逢い、気持ちを衝突させながら共同生活をスタート させるまでの展開が非常に好みな為、多少贔屓で感想評価は上がってます。ただこれがア ニメの時は、段々肉親か他人かの問題とは関係が薄いエピソードが多くなってしまったせ いか後半は微妙な手応えで。深衣奈と樺恋の感情が、家族への情から恋愛感情に変化する 過程もやや物足らずだったし。この辺りを小説で補ってくれると嬉しいんだけど……。  しかし映像で際どい描写を更に文章で深く詳細まで追求して、とことんエロく魅せよう とする雑破先生の執筆意欲は相変わらずさすがと言うしか。おしっこもれちゃう〜にスク ール水着に体育着に入浴に胸の揉み合いに間接キスに、と色々やってくれてます。若さゆ えの欲求が溜まりまくってるのか、勘違いが甚だしい麻郁は妄想が飛躍し過ぎですよ。 2004/05/15(土)ポストガール3
(刊行年月 2004.05)★★★★ [著者:増子二郎/イラスト:GASHIN/メディアワークス 電撃文庫]→【
bk1】  人型自律機械『メルクリウス』だけどバクという虫を体内に飼っているせいで人間らし い感情に翻弄されてしまう――こんな風にシルキーが自分の思考で自分の状態を一々意識 しなければ、もう人間とさほど変わらない感情を抱くまでになってるんじゃないの?   と、強く印象に残ったのが今回。一般的な人型自律機械ならばそもそも感情と向き合い たがるようにはプログラムされておらず、人間ならば自分の感情を意識して思い悩み葛藤 するのは当り前の行為。シルキーの感情は最初から2つの間に挟まっているから、メルク リウスらしからぬ人間の心を抱いた時にわざわざ立ち止まって「自分は機械なのに虫持ち だから人間の感情で動くんだ」と心の声に出しながら確認してしまう。今回はその度合が 凄く多く感じられた、という事はつまり人間らしい感情が顕著に表れていたのかなと。  いつもと同じく電撃hp掲載分4編に書き下ろし1編加えた計5編の連作短編集。どう も作品の性質上一度っきりの出会いと別れが結構あるせいかどうか、最近シルキーが名前 を出すだけに留まっている過去キャラが時々思い出せなくていかんです。連載&刊行ペー スがゆったりだからと責任転嫁するのも違う気がするけれど、どんな相手に手紙を届けた かを一覧掲載してくれたらなと望むのは贅沢か。でも彼女の親代わりであるキューザック の事がおぼろげだったのはさすがに自分で拙いだろうと。彼はシルキーと近しい関係にあ るので、彼女の心に繋がる意味でも今後は今回以上に見せ場があると嬉しい。  今回はメルクリウスに芽生える人間で言う所の“恋愛感情”らしきものが、主にグラム がシルキーを想う気持ちとシルキーがシャンベルを気に掛ける様子に、ちらほら見え隠れ していたのが印象に残った。今の所シルキーもグラムも人間の恋愛とはかなり離れた場所 に存在してるのだけれど、もし胸が苦しくなるくらいに誰かへの想いが膨れ上がった場合 に果たしてバグを飼うシルキーの心はどうなるか? 私が見たいと希望してるのはまさに 人型自律機械の恋愛感情面なので、この辺を更に追求して描いて見せて欲しいです。  既刊感想: 2004/05/13(木)アリソンIII<下> 陰謀という名の列車
(刊行年月 2004.05)★★★★ [著者:時雨沢恵一/イラスト:黒星紅白/メディアワークス 電撃文庫]→【
bk1】  完結編下巻でシリーズ最終巻。列車の旅の終着点と、上巻プロローグでヴィルが既にア レだとか物騒な物言いしてた事に対する真相。とにもかくにもこの完結編は上下巻一気に 読みきったもの勝ちな内容。これは話が直結してるんだから当り前なんだけど、待ち切れ なかったとは言え分けて読んだのはちとしくじったかも。上巻の内容を隅々まで完璧に覚 えてりゃ問題ないですが、そうでなければ記憶に鮮明に残っている内に結末まで辿り着く 方が絶対楽しめる(特に上巻で明かされてない要素が膨張状態な今回の場合は)。  という事で上巻再読から一気読了。大きく取り上げられているのは2つ。上記の通り列 車旅行でアリソンとヴィルが巻き込まれた事件の結末と、ぶったまげだった最初のヴィル についての謎解き。まず前者、これは列車逃走劇の冒険要素と殺人事件を解き明かすミス テリー要素の融合。ただし矛先は最初の『殺人犯は誰か?』から、徐々に『ストーク少佐 は何者か?』に移行している。私はヴィルの2つ謎解きの内、真相は最初の方だろうと考 えてました。後の方も頭に浮かんだけど、上巻で既に否定要素があったもんで除外してた んですよね。でもアリソンが絡む理由が分かった所で「ああなるほど」と納得。九章タイ トルの“答えはアリソン”はまさに解答そのものを示していたわけで見事な纏め方。  そして後者……の前に。まだまだこれだけ未来に繋ぐ事が可能な設定を残しておきなが ら、完結させてしまう潔さから心地良い感触が手元に残りました。スッキリしない部分も 確かに幾つかあるので、いずれ補完して欲しい気持ちも強いけれど(誓いのキスを交わし た日から現在に至るまで、アリソンとヴィルの関係がどう変化して来たのかとかね)。  最後にヴィルの事。彼があの言葉通りの状況に置かれていないのならば、意味する所は これしかないだろうな、と気付いたのは終盤の頃でしたとさ。彼が何故そういう道を選ん だのかも“読者の想像にお任せ”感があったので、もうちょっと詳しく語って欲しかった かも知れない。あとがき……じゃなくてよせがき(またやらかしてくれたよ時雨沢先生) にはリリアとトレイズの物語を匂わせる発言もあったけど、もしあるなら是非読んでみた いし、更に補完の意味でアリソンとヴィルの事を混ぜてくれたら凄く嬉しい。まあ終わっ たばかりでいくら何でも気が過ぎるから、期待半分を抱えつつ気長に待ってみます。  ……この物語で最も印象に残ったのはヴィルの鈍感さ。コノヤロウって感じ。  これだけは言っておきたい「いつまでもアリソンを大切にしろよ」と。  既刊感想:IIIII<上> 2004/05/12(水)空ノ鐘の響く惑星で3
(刊行年月 2004.05)★★★★ [著者:渡瀬草一郎/イラスト:岩崎美奈子/メディアワークス 電撃文庫]→【
bk1】  他に色々と、本当に色々触れなければならない要素があるんですけど、私はウルクに焦 点が当たる部分さえしっかり確保出来ていればそれでいい! とかいうダメ思考でごめん なさい。そして今回またしてもフェリオとの密着具合にニヤニヤ。ベルナルフォン率いる 傭兵部隊と協力して逃亡を計る際の、馬上で向き合いながらフェリオに抱き留められてい るウルクの姿なんかはもう堪りません。正妃殺しの冤罪を着せられそうなフェリオを救い たい一心で見せたウィータ司祭としての顔は気高く凛々しく、初めて抱く恋心を自覚して 戸惑う顔は初々しくて可愛らしい。ウルクの感情描写だけでかなりお腹一杯の満足感。  しかしながらフェリオの方で嘘から出た婚約話をあっさり冗談と流しているのを見るに、 現時点で彼にとってのウルクの存在はやっぱり友情以上にはならないらしい。ウルク派に とっては少々寂しい事実だけれど、大っぴらに平然と抱き締めたりするのも、恋愛感情を 抱いてないから出来る事なのかも。これはおそらくフェリオが鈍感という事ではなくて、 目を向けるべき場所が全く別の所に存在しているから今は行き届かないだけかなと。  それに元々は現世界のフェリオと異世界のリセリナとの出逢いが起点となっているせい か、どうしてもリセリナの方に惹かれそうな予感を抱かずにはいられない。リセリナもフ ェリオに好意以上の想いを寄せているようだし、そうなると今度はウルクの性格からして 身を引きそうだし。2人の少女の出逢いがどんなものになるのか気になって仕方がない。  今回ストーリーの進展具合はそれ程でもないけれど、前巻までと比べて一気に登場キャ ラクター増量で謎も増量。一度死の淵に立たされた事で、レージクの思惑を鮮明に捉えた フェリオの改めての決起を主軸に、密度の濃い内容で楽しませてもらいました。事態はア ルセイフ国の内乱だけに留まらず、隣国タートムとその向こうのラトロア、更にはウィー タ神殿や異世界からの来訪者達にまで波及し影響の広がりを見せつつある。  これだけややこしく人の思惑が絡み合っていても、大事な部分を見失わないでいられる 描き方は毎度の事ながら上手い。ただ、想像以上のキャラクター数の多さは脳内記憶の限 界を軽く突破してしまいそうな勢いなので、今度冒頭にでも簡単な紹介とか欲しい所。  追うべき謎は本当に多い。特に今回で大きく膨れ上がったような印象。個人的に気にな るのはフェリオの出生、シルヴァーナとシズヤの背後関係、ニナの安否と今後のクラウス への影響、フェリオを巡る三角関係、そして未だ詳細が明らかにされていない異世界と現 世界の繋がり。特に最後のは物語の核心に触れるものだろうと考えているので、そろそろ 何かしらの手応えが得られると嬉しいんだけど……さて。挙げた謎は一部分。まだまだ抱 えているのはこんなもんじゃない。読了直後で次巻が待ち遠しくなってしまった。  既刊感想: 2004/05/11(火)銃姫1 〜Gun Princess The Majesty〜
(刊行年月 2004.04)★★★☆ [著者:高殿円/イラスト:エナミカツミ/メディアファクトリー MF文庫J]→【
bk1】  かつて神の怒りに触れ“魔法を発動させる能力を失った”人間達、故に魔力は健在なれ ど魔法は使用不可。まずこの部分、単純に“魔法を失った”にはさせない捻りが効いてい て面白そうな発想。そして再び魔法を使いたい為にどうすればいいのだろうか、と探り当 てたのが銀に魔力を込めて銃で発動させるという手段。も一度ぐぐっと惹き込まれた。  全体的に見てそれ程銃魔法戦の割合は多くない印象。後半はアンブローシアを中心に派 手な立ち回りが展開されているけれど、重点的に描かれてるのは魔力の弾丸を解き放つま でのキャラクターの心理面。主にセドリックとアンブローシアとなりますが、2人共に並 大抵でない過去を背負っているせいか実に様々なものが混じっている。それらの感情を弾 丸に多量に込めているので発射される一発一発が非常に重い。ただ考えなしに敵に向けて ぶっ放すのではなく、自らが指を掛けた引鉄を引くまでの想い――迷い、葛藤、決意など の感情が充分に盛り込まれているからこそ、銃弾の音に心が激しく揺さぶられる。  この2人に比べて銃を扱えないエルウィングは少々扱いが地味で、変な性格ばかり印象 に残ってしまうボケと和み担当なのかと油断してたら落とし穴。主役3人の中で最も曰く ありげで胡散臭いお姉さんキャラみたいですよこの人。過去の足枷を忘れて3人共にじゃ れ合っている内は平穏な日々なんだろうけど、深い場所では凄くシリアスで重苦しい予感 もあるので、いつまでもずっとこんな風景のままというわけにはいかないんだろうなぁ。  まだまだ序盤戦な感触でも読了して面白いと素直に言えた物語。世界観も舞台背景の設 定や作中に流れる雰囲気も好み。ただ、謎仕掛けの特盛り状態にちょっとだけ引っ掛かっ た所で星半個分減。別段把握し辛い事もないんだけれども、頭で整理するのにやや手間取 ったかな? でも多くの謎が今後どう解かれて行くか、という楽しみの方が断然大きい。


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