NOVEL REVIEW
<2005年08月[前半]>
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08/06 『AHEADシリーズ 終わりのクロニクル4<上>』 著者:川上稔/電撃文庫
08/03 『アスラクライン』 著者:三雲岳斗/電撃文庫
08/03 『カレとカノジョと召喚魔法4』 著者:上月司/電撃文庫


2005/08/06(土)AHEADシリーズ 終わりのクロニクル4<上>

(刊行年月 2004.12)★★★★★★★☆☆☆(7/10) [著者:川上稔/イラスト:さとやす/メディアワークス 電撃文庫]→【
bk1】  くうぅ〜これでまだ前編なのか〜。しかも4th−Gは約束の取り付けのみで本交渉 には踏み込んでおらず、5th−Gに至っては交渉云々以前にUCAT同士で権利争奪 戦を繰り広げているやらで、まだまだ先は長いなぁと溜息が出るばかり。やっぱり最低 でも一つのGと決着付くまで、これだけ一冊が極厚だろうと達成感は得られないか。  この第4話が残り下巻だけでちゃんと収まるのか割と心配だったりするのですが…… うぅ〜ん、更に頁数増えるのか? でも文章量多いながらも途中でダレない辺りは、そ れだけ退屈を回避させる巧さがあればこそ。先達の過去の概念戦争絡みが表に出てくる と、途端に霧を掴むような曖昧な感触になったりするけれど、それもまた今後への楽し みに容易く変換されてしまうから面白い。彼らは自分達の後任者達に何を残したいのだ ろう? 或いは何を示したいのだろう? それとも過去に付けられなかった様々な決着 を、全竜交渉を進行している今この時にこそ果たすべく動いているのだろうか?  怒涛の進展は多分下巻に温存しているんでしょう。米国UCATの強制介入が引き起 こした戦いには熱いものを感じつつ、しかしそれでも印象に残り易いのは悲しいかな新 庄に対する佐山の犯罪スレスレな行為やらセクハラ行為やら。まあ新庄自身がイヤイヤ やめてと拒否しつつも、実は佐山をあっさり受け入れているから問題は無いのか?  真面目におバカな事やってる連中は相変わらずだと眺めておくとして。ヒオの行方と 役割と、あとは彼女と一緒なのが馴染みつつ原川との関わりを重視して追ってみたい。  既刊感想:1<上><下>、2<上><下>、3<上><中><下> 2005/08/03(水)アスラクライン
(刊行年月 2005.07)★★★★★★★★☆☆(8/10) [著者:三雲岳斗/イラスト:和狸ナオ/メディアワークス 電撃文庫]→【
bk1】  ぼ、僕はそんなのこれっぽっちも望んでないのにいつのまにやら関わった女の子が好 意を寄せてくれるんだよ〜……と心の中で被害者ぶって言い訳しながら、その実女の子 に好かれて決して悪い気はしないらしい智春。どう転んでも操緒への弁解だなこれは。  とか何とか。勝手気ままに想像膨らませちゃいましたが、実際こんな風な手応えだっ たんではないかな〜? 思春期の欲望持て余し気味な智春の異性を見る視点が妙にエロ い割に、それを素直に表に出しちゃ拙いとばかりに内々に溜め込んでしまう。そういう 性質らしく、操緒にだけはアッサリ見抜かれている辺りで苦笑がこぼれてしまう。やや 露骨過ぎるのが気にならなくもないけれど、これだけ好意や興味を抱いてくれる娘が次 から次へと出てくるのだから、悶々としたものが頭に詰まってた方が自然だろうか。  学園ラブコメ色が強いのかと思ってたら、“二巡目の世界”やら”機巧魔神”やらの 単語であれあれ〜っと少々想像してたのと違う方向に流れて行った。設定は面白いし興 味を引っ張るだけの力強さもあるけれど、如何せん智春自身が関わり始めたばかりなの で盛り上がりを実感出来るのは次巻以降になりそう。明かされていない謎も多いし。  しかしながら女の子の選別と配置については抜群の良さで、相変わらずシリーズ一巻 目からどかどかキャラを投入している割にしっかり書き分けが為されている点は好感触 でした。強いて足りない要素を挙げるなら名前しか出なかった妹キャラか。何か妙に思 わせぶりな描き方してるので、義妹の和葉もきっと登場するだろうと期待して待つ。 2005/08/03(水)カレとカノジョと召喚魔法4
(刊行年月 2005.07)★★★★★★★☆☆☆(7/10) [著者:上月司/イラスト:BUNBUN/メディアワークス 電撃文庫]→【
bk1】  異様に熱い展開だった前巻の反動か、ちょっと落ち着いたのを通り越して大人しい印 象だったかな? もっとも温泉旅行でま〜たりとくつろぐのは至極当然の流れなので、 派手な戦闘で行動的になるより、今抱える問題で悩みまくる描写が多いのも成る程納得 と言った具合。加えて雪子が探している遊矢の精神異常を治す解決策も暗中模索状態だ から、その辺りがどうなるか結果が見えてこない限りは大きく動きそうにない。  たとえ雪子がどれだけ想っているかを精一杯感情に乗せて伝えたとしても、今の遊矢 には届かない。もっと正確に言うと、そもそも遊矢はそんな雪子の気持ちなんてとっく の昔から気付いている訳で、けれど頭では理解していても感情が摩耗し切っているせい で応える事が出来ない。精神が正常ならそれこそ“もどかしい”と思う所で感情が働い てくれない。感情的に走るのはいつも雪子の方。それでも遊矢の言動から、誰よりも雪 子を大事に考え扱おうとしているのがハッキリ見えてしまうので辛いんですよね。  と、今回は玲がメインのエピソードだったか。ん〜まあ過去の経歴も普通じゃなかっ たけれど、奴に驚くのも今更だよなあ。遊矢への想いは、雪子に対するからかいの遊び 半分だとずっと思ってたのだけど、どうやら本気のようで。普段からおちょくりふざけ た態度取ってるから分からん〜。しかし遊矢の思惑の障害になりそうな雰囲気もあるの で、もしかしたら敵に回るとか? 残り少ない巻数で果たしてどう纏めてくれるか。  既刊感想:


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