NOVEL REVIEW
<2005年09月[前半]>
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09/10 『9S<ナインエス>VI』 著者:葉山透/電撃文庫
09/09 『9S<ナインエス>V』 著者:葉山透/電撃文庫
09/08 『座敷童にできるコト2』 著者:七飯宏隆/電撃文庫
09/07 『座敷童にできるコト』 著者:七飯宏隆/電撃文庫
09/06 『最後の夏に見上げた空は3』 著者:住本優/電撃文庫
09/05 『キーリVII 幽谷の風は吠きながら』 著者:壁井ユカコ/電撃文庫
09/04 『山姫アンチメモニクス』 著者:三上延/電撃文庫
09/03 『天国に涙はいらない11 メイドの途の一里塚』 著者:佐藤ケイ/電撃文庫
09/02 『いぬかみっ!7』 著者:有沢まみず/電撃文庫
09/01 『絶対少年 妖精たちの夏〜田菜』 著者:浜崎達也/電撃文庫


2005/09/10(土)9S<ナインエス>VI

(刊行年月 2005.08)★★★★★★★★☆☆(8/10) [著者:葉山透/イラスト:山本ヤマト/メディアワークス 電撃文庫]→【
bk1】  「ADEM編」の中巻。前巻程の怒涛の攻めではありませんでしたが、決着に向けて の確かな繋ぎ。そして遂に峰島勇次郎登場。うむむ、何か爽やかで格好良いな。これま で漠然とイメージしてたのが“不健康そうなおっさん”だったので、実物を目の当たり にした時との大きな差に衝撃を受けた。もっとも、闘真と対峙した時に見せた常人に理 解し難い言葉の数々からは、やはり異端者としか映りませんでしたが(正直何言ってる のか意味不明だった)。勿論意味はあるのだろうけど、現時点ではまだお預け状態。  今回は知りたい事実が先延ばしでお預けを食う時が結構あったような気もする。最大 の懸念は前述通り峰島勇次郎自身についてですが、彼と闘真の関係が妙に頭の中に引っ 掛かる。主な原因は口笛の事。闘真はどんな繋がりか何となく気付いているようで、側 に居た風間も知ってる素振りなんだけど、両方とも曖昧な物言いなもんだから……。  他に『七つの大罪』の目的とか、中でも特にルシフェルの存在とか、彼らと峰島勇次 郎との関係はどうなのかとか、LAFIに触れた小夜子の事とか、麻耶の容体とか、不 坐の動きとか……下巻で一気に解き放つ為の準備は万全と言った具合。黒川は己の野望 を抱えて沈むかと思ってたのだけど、由宇の感情を読んで欺くとは恐れ入りました。  そして最後の由宇の姿。ずっと望んでいた死を嫌い、生への渇望を剥き出しにした彼 女は見た事が無い。その声が闘真に届いて欲しい。その声に闘真が応えて欲しい。  既刊感想:IIIIIIV 2005/09/09(金)9S<ナインエス>V
(刊行年月 2005.01)★★★★★★★★★☆(9/10) [著者:葉山透/イラスト:山本ヤマト/メディアワークス 電撃文庫]→【
bk1】  あとがき読んだら無性に嬉しくなった! 売り上げ次第ではIV辺りで完結させなけれ ばならない想定もあって、本当は色々盛り込みたい所を様子見しながら進めてたのだと か。しかしこれで怖いものは無い。今回の怒涛の勢いに納得させられて上機嫌。  てな訳で新展開。物語の焦点が“峰島勇次郎の遺産絡みの事件を収束させる”から、 “勇次郎の英知を継ぐ峰島由宇の頭脳を狙う者達との攻防”へと移行。勿論勇次郎の遺 産もこれまでより更に大きく関わっているし、それが新たな事件勃発の引き金にもなっ ていますが、とにかく物語の規模が一気に膨らんだなぁという印象。登場人物も各勢力 も増量され関係の複雑化が進み、それでも確かな面白さが手応えとして残りました。  アメリカで何者かに強奪されたフリーダムという兵器、表向きは伊達の後を引き継ぎ ADEMを立て直そうと動いている黒川の真の狙い、逃亡を続ける闘真と由宇の前に立 ちはだかる『七つの大罪』と呼ばれる能力者達、そして峰島勇次郎の遺産と未だ明らか にされない彼自身の行方。混沌にして複雑、最初は見事にバラバラなのだけど、これら を一本の線に繋げてゆく過程の描き方が実に巧い。目まぐるしい状況変化の連続であっ さり迷いそうでいて、そう簡単には迷わせない。だから牽引力が最後まで持続する。  どうしよう、まだ「ADEM編」上巻の位置付けなのにもうお腹一杯で満足してしま った。次以降も満腹で満足出来るだろうか? まあ今回の引き方も小憎らしい程に素晴 らしく、続きが気にならないと言ったら大嘘になるので、期待感は衰え知らずです。  既刊感想:IIIIIIV 2005/09/08(木)座敷童にできるコト2
(刊行年月 2005.08)★★★★★★★☆☆☆(7/10) [著者:七飯宏隆/イラスト:池田陽介/メディアワークス 電撃文庫]→【
bk1】  引き続き電波な三人に抗えず状況に流されっ放しの克喜。無駄だと分かってはいるけ れど、彼を見ているとどうしても「お前もっと抵抗しろよ!」と言いたくなる。最後ま で殆どいいとこ無しだからイライラも募る。自分の構築した世界に酔い痴れ人の話を全 く聞き入れない三千院、万里小路、柏木の電波も、傍からは「大概にしろ」レベルのブ チキレっぷりだけど、しかし克喜に抵抗力が発揮されないのではどうしようもない。  今回もまたお騒がせ電波三兄姉妹(三千院、万里小路、柏木)の存在感が、絶大な威 力を有して猛威を振るっております。学園コメディ希望の身としては、前巻よりも好み の展開だったかなと。ただ、やっぱり座敷童達の背景や暗躍が気になるんだよなぁ。  興味を擽られてばかりなのに実際には序章のような断片的な語りでしかない為、却っ て混乱の中に落とし込まれてしまう。まあ最初から電波三兄姉妹の騒動を収めた後に描 くつもりだったのならば良いのだけれど、次巻以降は少しでも深く踏み込んで欲しい。  あと克喜と未麟の微妙にギクシャクした関係も割と良い感触でしたが、強烈な電波の 前ではさすがに影が薄い。完全に負けている。おまけに未麟の出番も少なめだった気が するし。この辺りの二人の関係も次はニヤニヤさせてくれるものであればいいな。  既刊感想: 2005/09/07(水)座敷童にできるコト
(刊行年月 2005.06)★★★★★★☆☆☆☆(6/10) [著者:七飯宏隆/イラスト:池田陽介/メディアワークス 電撃文庫]→【
bk1】  ワラシキモドキが憑いている“閲覧者”を探して立ち回っている時までは、不幸少年 と座敷童少女の騒動劇としてテンポ良く読めました。が、その後の戦いから異空間に投 げ込まれた辺りで急激に失速。これは座敷童側の設定が前触れ無く唐突に投げ込まれた せいだろうか? 座敷童の種族だか組織だかで込み入った事情を抱えているのは見え隠 れしていたとしても、何の事かは把握出来ていないから、終盤の戦いで現れた座敷童側 の事情から発生した設定にちょっと付いて行き辛かった。まあ次への伏線と考えておけ ば簡単なんだけど、この分かり難い部分でことごとく躓いてしまったからなぁ……。  自身は不幸の塊、側に居る座敷童はがさつで色気ゼロのおまけにこっちにちょっかい 出して楽しんでばかり、学校通えば寄って来るのは電波系。これでよく現実から逃げ出 さないな主人公、と同情しつつも面白がってました。コメディである時の流れは読んで いてなかなかに楽しい。でも、強烈な個性を持つキャラクター達は非常に印象に残るが、 じゃあどんな話だったかと思い返そうとしてもあまり浮かび上がって来ない。  これはまだ物語の方向性が定まってないのもあるかも知れない。例えば克喜がワラシ キモドキと戦う為に座敷童達と深く関わりを持つようになるのか? それともその辺は さくっと流して、電波系な変人達と戯れる学園コメディになるのか? それとも未麟と の関係に焦点を当てて描くのか? 今の所均等の手応えでどれも薄味。個人的な好みで コメディ展開重視で行って欲しいけど。ただ、どれも中途半端にはなりませんように。 2005/09/06(火)最後の夏に見上げた空は3
(刊行年月 2005.08)★★★★★★★★☆☆(8/10) [著者:住本優/イラスト:おおきぼん太/メディアワークス 電撃文庫]→【
bk1】  シリーズ最終巻。こうなるであろう結末は一番最初から既に提示されていましたが、 必ずしもその通りに事が運ぶとは言い切れない。万が一にも“十七歳の夏までしか生き られない遺伝子強化兵”に生き延びる手段があるのならば、必死に縋ってしまってもい いんじゃないか。それはやっぱり予定調和の死よりは奇跡でも生きて欲しいから。  ……と、小谷の延命を強く願っていても、本心ではそうならない可能性の方を余計に 持ち合わせていました。根底には「安っぽい奇跡なんぞ起こしたらどうしてくれようか」 なんて気持ちを抱いていたからなのですが、要は奇跡を起こすならば起こすまでの過程 で納得させてくれと。そうでなければ黙っちゃいないぞと。まあ良い方向に転がるとは 到底思えない展開だから、知らず知らずに不安感が高まってしまったのかも。  しかし中盤で可能性を差し伸べている辺りはなかなかに嫌らしい。まともでないのは 明らかで、小谷に犠牲を要求してまで苦悩を生ませているものだから、思わず手近な名 門に当り散らしたくなってしまった。正直言うと、ここで遺伝子強化兵の詳細に触れる のなら、もっと前から設定を掘り下げておくべきだったと思う。最後までノータッチで あればこんな風には考えなかったのだけど……。深く踏み込まないと予想していたし、 あくまで残り少ない命の小谷が生と死の間で壮絶な葛藤を繰り返し、それでも名門と一 緒に最期まで添い遂げたいと願う恋愛模様を想像していたから、ちょっと期待値とズレ が出てしまった印象で惜しい。この流れならもう一巻余計に描いて欲しかったなと。  最後に小谷と名門の結末の事。それまで色々考えてたものが全て吹き飛びました。い やもうこのラストシーンを見せられたら何も言えないですよ。詳細はネタバレに触れる ので書けませんが、どんな結末でもきっと私は小谷と名門に泣かされていたでしょう。  既刊感想: 2005/09/05(月)キーリVII 幽谷の風は吠きながら
(刊行年月 2005.08)★★★★★★★★☆☆(8/10) [著者:壁井ユカコ/イラスト:田上俊介/メディアワークス 電撃文庫]→【
bk1】  物語を結末へ導く為の原点回帰だろうか。目的は割と曖昧で、キーリとハーヴェイが 面倒臭く葛藤を繰り返しながらの純粋な『旅』と言える展開。随分久し振りで随分懐か く感じられた。兵長がこんなだから三人の雰囲気は前の頃と微妙に違って映るのだけど、 これでお互いがお互いに対して何も難しい事を考えずに済む旅だったら……。もしそう なら登場人物達も、それを追う読み手側も、どんなに心地良く感じられただろうか。  キーリは進むべき道を見失い掛けていて心が沈みっ放し、ハーヴェイは核が傷付いて から身体がボロボロになり続けているのが止まらず、兵長はとうとうこんな状態になっ てしまい、こんなんで明るい材料を見付けろと言う方が無理ってもんです。兵長につい ては「普段から乱雑に扱い過ぎだろう」とか「むしろ今までよく平気だったな」とか色 々突っ込み入れたいとこですが、多分そんな単純な事だけでは無いような気もする。何 にしても終盤で兵長の“いつもの”怒鳴り声を聞いた時は泣いてしまいそうでした。  キーリ、ハーヴェイ、兵長の三人とも、それぞれ違う場所が違う痛みによって同じ様 に傷付いている。特にキーリとハーヴェイは、触れ合えば触れ合うほど傷を負ってばか りなのが見ていて切ないです。それが触れ合う相手の刃でなくて、相手を想い自分の刃 で自らの心を傷つけている辺りが余計にね……。終始そんな状態だったから、タテガミ と助手の存在がなければ途中で折れていたかもしれない。意図した立ち直らせる行為で はなかったけれど、落下するのを和らげる緩衝材的な役割だったんじゃないかなと。  新しい出逢いとその別れも旅ならではのもので、心の状態は最悪に近かったけれども、 最終的には一応三人が元の鞘に収まってくれたからホッと一息。そしていよいよ次がラ ストエピソード。限界に近い三人の心の終着点は果たして何処になるのやら……。  既刊感想:IIIIIIVVI 2005/09/04(日)山姫アンチメモニクス
(刊行年月 2005.08)★★★★★★★☆☆☆(7/10) [著者:三上延/イラスト:榎宮祐/メディアワークス 電撃文庫]→【
bk1】  同著作『ダーク・バイオレッツ』や『シャドウテイカー』とは全く逆の方向を行って いる物語(シャドウテイカーは一巻しか読んでませんが、概ね言ってる事に間違いはな いかなと)。ハッキリ言って驚いた。作家だって扱うジャンルに得手不得手があるんじ ゃないかなあ? と読みながら考えたりするし、逆に複数のシリーズが同傾向なのは、 選択したジャンルが好きであったり描くのが得意であったりするかも知れない。  まあ要は著者の三上さんはこういうお約束通りに狙ったラブコメって書かないだろう な、とは私の勝手に思い込みでした……と言いたかっただけで。別の方向性への進め方 で楽しめるか否かはまた別として、これまでのシリーズとは違う方向で違う“味わい” をこういう風に見せて貰えると、読み手としては妙に嬉かったりするのですよね。  本編は書き下ろしのプロローグと電撃hpで誌上連載されていたものを含めた、短編 連作形式のラブコメストーリー。あ〜確かにこれなら人は死なないだろうし、ヒロイン も具合が悪くなったりしないだろうなぁ。と、大きな安心感を抱いて読める反面、ラブ コメとしての押しはちょっと弱目。出逢い頭に妙な形で惹かれ合ったカズキと翠につい ては、話が進めば接近してゆくだろうなと思っているのであんまり心配はしていない。  心配なのは作中での扱いが中途半端な気がしてならない風花の方。今でも騒動の種で あるのだけれど、もっと取り返しがつかなくなる寸前くらいまで派手に好き勝手やって 引っ掻き回してもいいと思う。悪意ある敵とは違うけれど、翠との対立関係を明確に示 して欲しいかな(でも風花の性格を思うと無理に枠にはめない方がいいのかなぁ?) 2005/09/03(土)天国に涙はいらない11 メイドの途の一里塚
(刊行年月 2005.08)★★★★★★★★☆☆(8/10) [著者:佐藤ケイ/イラスト:さがのあおい/メディアワークス 電撃文庫]→【
bk1】  前巻から大分間が空いたので、いちいち律儀に突っ込みを入れる賀茂も、美少女萌え の何たるかを熱く語るしょーもないアブデルも、己に自信が持てなくておどおどそわそ わな仔犬チックたまちゃんも、最初の内は妙に懐かしくて。それから雰囲気を段々思い 出して慣れて来て「相変わらずだなぁ」と苦笑混じりの自然な言葉が漏れていた。  で、今回のドリルメイドロボお蘭さん。彼女が置かれている状況からどんな展開で進 んでゆくか、終盤までのストーリーラインが大体読めてしまえる。最初からもう泣かせ てやろうと意気込み満々のシチュエーション。それは分かっちゃいるんだけれど、どう してもこういうのに弱いもんで結局泣かされてしまいました。私はお蘭さんをこうなら ない別の結末に導いて欲しいと思った。でも、このシリーズのエピソードはきっとこの 結末に辿り着くかなとも思ってた。旦那様に寄り添うお蘭さんの姿が忘れられない。  あとお蘭さんの他に、賀茂とたまちゃんの距離が何気に順調に縮まっているのも、変 態紳士菜間尺八郎と真理子の登場も嬉しくて充実感一杯でした。さて、次はどんなキャ ラで来るだろうか? 美少女キャラは多種多様だから、まだまだネタは尽きないと思い ますが……あとがきから察するにツンデレっ娘とか? 想像して待つのもまた楽しい。  既刊感想:10 2005/09/02(金)いぬかみっ!7
(刊行年月 2005.08)★★★★★★★☆☆☆(7/10) [著者:有沢まみず/イラスト:若月神無/メディアワークス 電撃文庫]→【
bk1】  ネコミミメイド啓太可愛いよネコミミメイド啓太。と、普段なら毎度の如く軽いノリ で、「馬鹿だよこいつら」と笑い転げてしまえる上に啓太萌えにも転がれる筈なんだけ ど、今回はクライマックス直前のシリアス展開で突き進んでいるのでそうはいかない。  下ネタギャグ満載だったシリーズ初期から中期にかけて、稀に挿入されていたシリア スムードの一幕。その多くは確かようこに関わるシーンだったと記憶していますが、意 図的に隠しているせいか、正直何を言われているのか掴めない部分も結構あったり。  そういうギャグ展開とはうまく混ざらないシリアスな雰囲気で時々引っ掛かっていた 部分が、ようやく納得のゆく形で見れたのかなと。しかし著者の有沢さんって、インフ ィニティ・ゼロの時もよく感じてましたが、伏線張りつつ物語を進めると出し惜しみし 過ぎる傾向にあるような気がするんですよね。今回の薫然りなでしこ然り。何かあるの は一目瞭然ながら、その“何か”を理解したくてもなかなか掴ませてくれない。  よく知りたくて興味が先へ向かう筈の所、分からなさ過ぎて妙にストレスが溜まると いった具合。うう〜何でかなぁ? こういう終わり方なので次が楽しみなのは間違いな いんだけど。次巻で頭に溜まったモヤモヤを一挙スッキリさせてくれたらいいな。  既刊感想: 2005/09/01(木)絶対少年 妖精たちの夏〜田菜
(刊行年月 2005.08)★★★★★★★☆☆☆(7/10) [著者:浜崎達也/イラスト:戸部淑/メディアワークス 電撃文庫]→【
bk1】  同名アニメの小説版。都会の引き篭もり少年が、かつて田舎へ置き去りにした大切な 約束と記憶を探す物語。どうやらストーリー展開はアニメシナリオにほぼ忠実らしいで すが、私の場合アニメはこの歩が主人公の田菜編を飛び飛びでしか観てなかったから、 小説版で曖昧な箇所が鮮明になってかなりスッキリしました。もっとも、“見えないモ ノが見える人達”の特徴――何故見えるのか? 見えない人と何が違うのか? そして “見える人以外には見えないモノ”の存在――この物語とキャラクター達にどんな影響 を及ぼすのか? など、田菜編だけでは明確になっていない点も結構多い。対象キャラ が歩(と美玖もかな?)しか居ない為か、その辺りが手探り状態なのはアニメも一緒。  田舎の夏休みの不可思議風景。この雰囲気作りの描写は抜群の良さで、歩の記憶の引 っ掛かりや「わっくん」という要素が更に不思議さに拍車を掛けていて面白い。キャラ クター達の感情描写の掘り下げも、小説版の方がより効いていて良かったかなと。  歩の記憶探しの日常をきちっと締めつつ、物語の核心に触れる謎は次の横浜編へ持ち 越しているので、先が気になって続きも手に取りたくなる。既に横浜編に入っているア ニメはぼちぼちチェックしていますが、小説版も期待して楽しみに待ちたいです。


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