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07/15 『リグザリオ洗礼 レジェンド・オブ・レギオス』 著者:雨木シュウスケ/富士見書房
07/12 『堕天使の旋律は飽くなき 夜想譚グリモアリスII』 著者:海冬レイジ/富士見ミステリー文庫
07/12 『食卓にビールを6』 著者:小林めぐみ/富士見ミステリー文庫
07/11 『マルタ・サギーは探偵ですか?5 探偵の堕天』 著者:野梨原花南/富士見ミステリー文庫
07/10 『SHI−NO ―シノ― 呪いは五つの穴にある』 著者:上月雨音/富士見ミステリー文庫
07/09 『待ってて、藤森くん!2』 著者:壱乗寺かるた/富士見ミステリー文庫
07/09 『殺×愛7 ―きるらぶ SEVEN―』 著者:風見周/富士見ファンタジア文庫
07/06 『とりあえず伝説の勇者の伝説11 常識力のホールドアップ』 著者:鏡貴也/富士見ファンタジア文庫
07/05 『風の聖痕 Ignition4 すべては愛のために』 著者:山門敬弘/富士見ファンタジア文庫
07/04 『DクラッカーズIII 決意―resolution―』 著者:あざの耕平/富士見ファンタジア文庫
07/01 『DクラッカーズII 祭典―ceremony―』 著者:あざの耕平/富士見ファンタジア文庫
□2007/07/15(日)リグザリオ洗礼 レジェンド・オブ・レギオス
(刊行年月 H19.07)★★★★★★★☆☆☆(7/10)
[著者:雨木シュウスケ/富士見書房 Style−F]→【bk1】
ふい〜、こいつぁなかなか難儀した。オーロラ・フィールド、異界浸食、絶縁空間、異
民化……この辺りの概念を理解するのにちょっとね。最初から結構躓いて飲み込み難くさ
を感じてしまったもんで、細かく噛み砕いてようやく把握出来たかな? と言った具合。
本書は同著作『鋼殻のレギオス』の前世譚となる物語で、全三巻予定だそうな。肝心の
鋼殻のレギオスとの関連性について、現段階で「おっ、これか!」と思わず身を乗り出し
てしまいそうな明確な繋がりはまだ掴めず。ただ、幾つかの項目で「似てるんだろうか?」
と思わされたのも確か。とある障害が原因で都市間移動が困難になっている点や、各都市
が他都市と殆ど交流を持たず独立運営している点など(もっとも、世界の成り立ちは今の
所全く別モノにしか見えないけれど)。あくまで予想の範疇で関連性を考えてみるならば、
絶縁空間で異民化した何かが『鋼殻』での自立型移動都市か或いは都市精霊なんではない
だろうか……とか。見当違いかも知れないけれど、それくらいしか思い浮かばない。
まあこちらはこちらで謎な所もまだまだ沢山残されているし(とりわけサヤの存在は大
きな鍵となりそうな予感)、関連性が明確になる時を楽しみにしつつ続きを待ってみる。
□2007/07/12(木)堕天使の旋律は飽くなき 夜想譚グリモアリスII
(刊行年月 H19.07)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:海冬レイジ/イラスト:松竜/富士見書房 富士見ミステリー文庫]→【bk1】
最初は全然意識して無かったんだけど……今回の分を読了して、ふと表紙を眺めてみて、
「んん?」と首捻りつつちょっとした違和感を覚え、直ぐに「あ、そうか」と違和感の正
体に辿り着く。ええと、現時点でのアコニットと鈴蘭の関係からはどうやってもこの構図
は形成出来ない……よね?(物凄く自信なさげに述べてみる) アコニットは鈴蘭にどん
な仕打ちを受けても最後には『友達』という態度を貫き、対して鈴蘭はアコニットに友達
のように親しげに接する態度を多く見せながら本心は『憎悪』のみに塗れている。
この表紙、かつて“本当に互いが友達同士と信じていた頃の構図”なんだろうか? い
や、過去に二人の絆を断ち切る何かが絶対あった筈で(作中で幾度もそう匂わせる描写が
あるし)、けれども詳細は殆ど謎に包まれているからその辺はあくまで想像の範疇か。
あと、いのりの過去に関しても結構重要な位置付けのように感じられるんだけど、誓護
が語るの拒否してるっぽいからこっちもハッキリしないんだよなぁ。まあ教誨師の役割は
2巻分かけてしっかり把握出来たし、ミステリ要素の仕掛けも面白く、アコニットの可愛
さも引き続き抜群の破壊力だったので満足感は充分に。未だ謎多き物語の続きに期待。
既刊感想:I
□2007/07/12(木)食卓にビールを6
(刊行年月 H19.07)★★★★★★★☆☆☆(7/10)
[著者:小林めぐみ/イラスト:剣康之/富士見書房 富士見ミステリー文庫]→【bk1】
シリーズ最終巻。予想通り全然最終巻っぽくない最終巻。これまでと変わらない内容で
何となく幕を下ろした、なんて雰囲気で終わっている辺りは凄くこの物語らしい。だらだ
ら続けても構わないし、多分ネタさえあれば幾らでもだらだらやれそうだし、きっと合わ
せてだらだら読み付き合うと思うけど、終わるならそれでもいいかなと。そんな感じ。
そういやこのシリーズ、改めて思い返してみるといつも同じ所に突っ込み入れたくて入
れたくて仕方なかったんだが(毎度毎度登場しては何事も無かったように過ぎ去ってゆく
地球外生命体の面々と、それらにごく普通に接してる女子高生兼作家兼幼な妻な主人公の
事だよ)、何かいつも妙な空気によってタイミングをずらされ受け流されていたよな。も
うそれが存在していて当たり前。全然おかしなとこなんてないじゃん? てなノリで。
好みな話と苦手な話、私にとっては結構両極端だったのだけど、やっぱり旦那とのじゃ
れあいを眺めているのが一番良かった、という所に落ち着いた。……あ、結局この主人公
の本名明かされないまま終わってしまったか(多分続いても分からないままだろうなぁ)。
既刊感想:1、2、3、4、5
□2007/07/11(水)マルタ・サギーは探偵ですか?5 探偵の堕天
(刊行年月 H19.07)★★★★★★★★★☆(9/10)
[著者:野梨原花南/イラスト:すみ兵/富士見書房 富士見ミステリー文庫]→【bk1】
『名探偵』という名のイレギュラーカード使用がバレて、オスタスからもカード戦争か
らも強制排除されてしまったマルタ・サギー。あの衝撃のラストシーンから7年。鷺井丸
太は25歳になっていた。……………………え? 25歳デスカ? この不意打ちには吃
驚仰天。しかしながら過ぎ去った歳月よりも一番吃驚した事があって、それはオスタスへ
強制送還される7年前、あれだけ無気力に生きていた丸太が蓑崎でまともに就職していた
事。全てはオスタスへ戻る為、より正確にはマリアンナの元へ戻る為。その手段を見付け
るまで探し続けなければならない……と自分に言い聞かせて7年。それ程の執着心。
でも、この7年が丸太が辿った選択肢に重く重く圧し掛かる。今度は大きな意味があっ
た蓑崎での7年。丸太がどうしても手にしたいモノと、この7年間全てを引き換えにしな
ければならなかった……そう後になって気付かされた時の辛さや切なさが本当に堪らない。
ならば、今度はオスタスでのマルタ・サギーの復活劇を軽快に演出して欲しいと思う。
既刊感想:1、2、3、4
a collection of s.1、2
□2007/07/10(火)SHI−NO ―シノ― 呪いは五つの穴にある
(刊行年月 H19.06)★★★★★★★★★☆(9/10)
[著者:上月雨音/イラスト:東条さかな/富士見書房 富士見ミステリー文庫]→【bk1】
シリーズ第5巻。あれ? 書き下ろし? ファンタジアバトルロイヤルだかで掲載され
た分を纏めた短編集かと思ってたんだけどそうじゃなかったのか。まあどちらにせよ第二
部開始前の幕間劇には違いなく。今回は『僕』やシノシノには直接的に全く関わりの無い
事件なんだけども……あえてこの事件の本質を紐解かせるよう志乃に話を仕向け、紐解く
過程で未だ謎が多過ぎる志乃の内面を探って行こうと。つまりそういう魂胆なのか?
いや、相変わらず掴み難い言い回し方してるな〜と読解力不足を棚に上げて思ったりし
てみて、『僕』が事件の中の人の感情に触れた上で志乃の内面に深く踏み入ろうとしてい
る辺り――確か毎回描かれている気がするのだけど、今回は特に強調されて描かれていた
かなと。そして着実に理解しつつある。過去話を絡めたのは現在との理解度の対比みたい
なものを示したかったのでは? そんな風に思った(どれ程理解してるかはさておき)。
皆が不幸に陥らない為には、まず誰かに向かって大声を張り上げて己の感情を叫んで吐
露してみせろ。きっと誤解や擦れ違いを回避する可能性は格段に上がるから。それが結論
……多分ね。もしかしたらこれは志乃にそうして欲しい『僕』の願望なのかも知れない。
既刊感想:黒き魂の少女
アリスの子守唄
天使と悪魔
愛の証明
□2007/07/09(月)待ってて、藤森くん!2
(刊行年月 H19.06)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:壱乗寺かるた/イラスト:カントク/富士見書房 富士見ミステリー文庫]→【bk1】
あー以前こんなツッコミをよく入れていた……「ど・こ・がミステリーだ!」と。そん
な事をふと思い出させてくれた今回の内容よどうもありがとう! 今じゃうろたえもしな
ければたじろぎもせず、当然違和感を覚える事もなく自然に受け入れられる。何せ裏レー
ベル名『富士見L・O・V・E文庫』だからな!(勝手に命名) ……こんな単純な構図
(褒め言葉だからね)で物凄く真っ直ぐ過ぎるラブコメって久々に読んだ気がする。
私は幼馴染みスキーなので、当然の如く健気に頑張っちゃってる吉野に肩入れしたくな
るんだけど、一方で十年前からの深い繋がりにもついつい心惹かれてしまう。今回の件で
十年前の少女=黒河和美と確定したし(但し里見はまだ知らない)、吉野と和美のライバ
ル宣言も互いに済ませた事だし、今後の三角関係展開に興味津々で益々目が離せない。
……しかし、現時点で里見がどっちかを選ぶ事は絶対に出来ない。断言。何故ならこや
つは完璧な“流されキャラ”だからさー。ついでに天性の“弄られキャラ”ね。今の所は
気持ちが吉野寄りになってるけど、十年前の件がある限りどう転ぶか分からんよなぁ。
既刊感想:1
□2007/07/09(月)殺×愛7 ―きるらぶ SEVEN―
(刊行年月 H19.06)★★★★★★★★★★(10/10)
[著者:風見周/イラスト:G・むにょ/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
シリーズ最終巻。殺す為に愛し殺される為に愛される。まさにタイトル通り、密と咲夜
『殺×愛』を描く事に最後の最後まで徹したラストステージ。途中アダムから自らの想像
で語った世界滅亡の原因を聞かされた時、「おい神様! そりゃねぇだろ!」とやり場の
無い憤りに塗れてしまったのだけど、エピローグで一挙にスッキリ解消出来たので物凄く
ホッとした。「ああ……神様も粋な計らいをしてくれるぜ」ってな具合で(まあこれも結
局は神様の悪戯心って事になるんだろうけど、全て良い方に作用したからね)。
エピローグに当たる『エンドロール』の部分は、雑誌連載には無かった文庫書き下ろし
だそうで、これが有ると無いとでは読後の印象が相当に違ってくる――それだけ重要な要
素。あとがきで賛否ありそうと書かれていたけれど、私はもう大賛成派ですよ。皆を散々
翻弄し苦しめまくった傍迷惑な悪戯神様とやらの気紛れに、今はとりあえず素直に感謝し
ておこう。そこに皆の幸せな結末が用意されていた事。ただそれだけが最上の喜び。
既刊感想:0、1、2、3、4、5、6
□2007/07/06(金)とりあえず伝説の勇者の伝説11 常識力のホールドアップ
(刊行年月 H19.06)★★★★★★★☆☆☆(7/10)
[著者:鏡貴也/イラスト:とよた瑣織/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
おいっ! 書き下ろし! そこまで企画ネタ出してるならエル・ウィンとのクロスオー
バーやってくれよ! 更においっ! あとがき! 順位とキャラ名だけ並べりゃ2ページ
で済むじゃねぇか! まあ、こんな風に読者を楽しませようとしつつ作者自身も楽しんで
遊びたいんだっ! って気持ちはよく伝わって来たけど。しかしたった1エピソード(し
かも短編2巻目の)にしか登場してないキャラの事なんかもう覚えてねー! それにだん
ご神様って何だよ! とか何とか、投票結果の予想以上のカオスっぷりに目眩が……。
あーっと、今回の内容? 恋の話略してコイバナが意外な程に多かったかも。ライナに
は全然似合わねぇけど。どうもライナってこれまで歪み切った人生経験ばかりだったせい
か、真剣に好意を示すという事が出来ないのかなぁとか思ったり。実際にどうなのかは分
からないけど、そういうの感じ取れただけでも収穫だったのかも。でも結局フェリスとは
ラブラブバカップルにしか見えないんだがなぁ(かなり歪んだ部分はあるにせよ)。
で、唐突に短編集これにてお終い(単に仕切り直すだけらしいけど)。次はいよいよ長
編『大伝説の勇者の伝説』だそうな。どこら辺が“大”なのか期待して待ってるよ。
既刊感想:『伝説の勇者の伝説』『とりあえず伝説の勇者の伝説』感想一覧
□2007/07/05(木)風の聖痕 Ignition4 すべては愛のために
(刊行年月 H19.06)★★★★★★★☆☆☆(7/10)
[著者:山門敬弘/イラスト:納都花丸/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
ああ、壮大な勘違いをやらかして煉にイカレちまった野郎がまた一人……「ぷぷっ」と
小馬鹿にしてやろうか、それとも「わはははははははははははははは!」と盛大に馬鹿に
してやろうか迷うとこだな。ま、所詮は太一郎だし。作中で和麻と綾乃がしっかり笑って
くれてるから別にどっちでもいいか。煉の友達その2の達也みたく、太一郎も勘違いの果
てに「煉が男でも好きだー!」とか心変わりをしてくれたら意外と面白いかも? 少なく
とも完璧に脈なしの綾乃にだらだらくっ付いてるよりは楽しめそうな気がする。
あとはそうだな……由香里ってナニモノ? ってとこくらいか印象に残ってるのは。特
にこの短編集では徐々に存在感が増して来ているよなぁ。何を考えているのか分からなく
て他人に本心を読ませない辺りは、和麻と同格かもしくはそれ以上の“曲者”かも知れな
い。綾乃をからかって遊んでる所なんかは凄く楽しいので、今後も適度に手強さを見せて
くれたらいいかなと(由香里が“本気”になったら収拾がつかなくなりそうだから)。
既刊感想:1、2、3、4、5、6
Ignition1、2、3
□2007/07/04(水)DクラッカーズIII 決意―resolution―
(刊行年月 H19.06)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:あざの耕平/イラスト:村崎久都/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
知りたい情報が一気に増えて物語の展開も更に加速。一方で気になる謎は徐々に絞られ、
何を追うべきか明確になって来るのがこの辺り。景は<女王>に連れ去られるようにに消失、
梓は傷心で失踪、甲斐は自らの悪魔を景(に宿る女王)に両断され昏睡状態、セルネット
とDDは衝突による被害で共に大打撃を被り、この時点で戦うべき“敵”となりつつある
女バールとベリアルは何らかの目的の為に動き始める。……と、主役側ばかりが深く沈み
込んでいる中で、状況打開しようと奮闘を見せているのが千絵、水原、茜と言った面々。
特に梓を心配しつつも今自分に出来る事を精一杯確実にこなし続ける千絵の姿には大き
く心を揺さ振られた。ここは以前読んだ時と全く一緒。そういや確か作中の誰かが千絵に
対して「何故そこまでやるの?」と言ってたっけ。本当にそう言いたくなる。でも、絶対
に言わせない意志の強さってのが物凄いんだよね。あんまり一般人の女の子に向けるよう
な言葉ではないんだけど、この辺の千絵は“カッコイイ”って言葉がよく似合うよ。
そして終盤オイシイ所をまんまと攫っていった“ヤツ”に見惚れて鳥肌を立て、皆で反
撃を誓うラストシーンで心が奮い立つ。ここは本当に忘れる事の出来ない名シーン。
既刊感想:『Dクラッカーズ』感想一覧
□2007/07/01(日)DクラッカーズII 祭典―ceremony―
(刊行年月 H19.05)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:あざの耕平/イラスト:村崎久都/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
徐々に加速が掛かって来る辺り。しかしまだまだこれから。明かされる事も多ければ、
同等かそれ以上に膨れ上がる謎もまた多く。前に読んだ時は、断片的に与えられた情報を
整理するのに四苦八苦してたみたいだな、と富士ミス版の感想眺めてみて思い返す。
セルネットの原型――そもそも誰がどんな意図を抱いて組織を構築したのか? 度々描
かれる景と梓の過去回想の意味、そして現在置かれている状況との関係は? 梓の中から
抜け出し、瀕死の景の中へ入り込んでしまった<女王>と呼ばれる存在は何か? ……大き
く立ちはだかっている謎はこんな所かな。あと今までセルネットの運営に関与して来なか
った執行細胞『B』の存在などもそうか。多くの要素が複雑に絡み合うに連れて、もうさ
すがに早足では追えなくなりつつある(記憶から抜け落ちる程に忘れてるわけではないん
だけど、じっくり噛み締めながら進まないとポロポロ零れ落ちてしまいそうで……)。
確か次は色々と失ってしまったせいで結構どん底の筈。気持ちや信念などがね。そうい
うとこから如何にして這い上がってくれるか。更なる加速と盛り上がりに再度期待。
既刊感想:『Dクラッカーズ』感想一覧
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