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04/15 『ミナミノミナミノ』 著者:秋山瑞人/電撃文庫
04/12 『シャドウテイカー3 フェイクアウト』 著者:三上延/電撃文庫
04/12 『DADDYFACEメドゥーサIV』 著者:伊達将範/電撃文庫
04/07 『吸血鬼のおしごとSP The Days Gone By』 著者:鈴木鈴&片瀬優/電撃文庫
04/01 『ポストガール4』 著者:増子二郎/電撃文庫
04/01 『シュプルのおはなし3 Grandpa's Treasure Box』 著者:雨宮諒/電撃文庫
04/01 『結界師のフーガ3 見えない棘の家族』 著者:水瀬葉月/電撃文庫
□2007/04/15(日)ミナミノミナミノ
(刊行年月 2005.01)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:秋山瑞人/イラスト:駒都えーじ/メディアワークス 電撃文庫]→【bk1】
読了してあとがき眺めてみると、この作品のネタが湧き上がる前にあれやこれやと幾つ
か他の話のネタが上がっていたようで。正直、その内のどれか(個人的には“便所の話”
とかすげー気になる)が読みたかったかも。いや、この物語も最初の掴みと言う意味での
仕上がりは充分満足させられるものだったのだけど、基本はイリヤと同系統なボーイ・ミ
ーツ・ガールもので、肝心の正時と春留の絡みは宙ぶらりんで終わっちまったからねぇ。
んで、きっと色々話が動くのは次巻以降なんだろうなぁ。今回はラストでカンフーが大
型爆弾を投下するまでの前フリみたいな感じ。穏やかな離島環境に隠された裏側の事情を
早く覗いてみたいんだけど、この引きで二年以上も続き出ないのはちょっと酷いよ……。
□2007/04/12(木)シャドウテイカー3 フェイクアウト
(刊行年月 2005.01)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:三上延/イラスト:純珪一/メディアワークス 電撃文庫]→【bk1】
シリーズ折り返し地点で葉バッドエンドルート確定……か? いやいやハッピーエンド
の道は極めて狭まって来ているが、裕生が葉を救おうと諦めず奮起する限り希望は捨てな
いぞ、と。そういや前々から「この物語の世界でカゲヌシと契約者は一体どれくらいの数
が存在してるん?」なんて疑問を抱えているのだけれど、実際には多かろうが少なかろう
がどれだけ存在していようが、別にハッキリさせなくても然程大した問題にはならないの
かも知れない。裕生にとって最重要事項はカゲヌシ殲滅や他の契約者達を救う事ではなく、
あくまで“『黒の彼方』から葉を取り戻したい”という唯一点だから、そこを主軸として
描く限り直接的に関係しないカゲヌシや契約者はそれ程重要にはなり得ないのかなと。
それにしても。葉の状態がやばくなる度に裕生との距離が近付き絆が深まっているこの
現状、どんな気持ちで眺めていたらいいのやら。嬉しいけど切ないってのはなぁ……もや
もやし過ぎて辛いよ。やっぱりこの二人にはどうにかして幸せを掴んで欲しいと思う。
既刊感想:1、2
□2007/04/12(木)DADDYFACEメドゥーサIV
(刊行年月 2005.01)★★★★★★★☆☆☆(7/10)
[著者:伊達将範/イラスト:西E田/メディアワークス 電撃文庫]→【bk1】
メドゥーサ編完結。むぅ……前巻でも書いたがまたしつこく書くよ。この多数の脇役達
は、どうにも頭の中で整理しようと頑張っても整理し切れない把握し辛さがある。で、こ
れってやっぱり読む期間が空いて忘れてしまったせいだけではないと思うんだよきっと。
でも、誰がどんな考えを持ち何を目的として行動を起こしているのか? これを脇役端
役全てに浸透させつつ描くというのは、なかなか容易ではないのかも知れない(だからこ
そ相関図だけでも載せて欲しかったんだけど)。『メドゥーサ編』と冠していながらも、
“メドゥーサ”そのものよりアトランティス大陸の興亡、そしてそこから発生した過去と
現在の関係を描く方がメインだったので、想像していた中身とはちょいと異なっていたか
なと。そういう意味ではやや不完全燃焼だったけど、一応解決はしたのでホッと一息。
……しかし。続きありそうな事を匂わせていたのに、全く音沙汰なくなってしまったん
だなぁ。思わせ振りに語って済ませてる部分もあるので続き出てくれないもんだろか?
既刊感想:メドゥーサI、II、III
□2007/04/07(土)吸血鬼のおしごとSP The Days Gone By
(刊行年月 2005.01)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:鈴木鈴&片瀬優/メディアワークス 電撃文庫]→【bk1】
小説とコミックの競演。これにて『吸血鬼のおしごと』シリーズは見納め。本編完結後
の過去エピソード。過ぎ去りし日々の二度と戻る事のない日常、というやつ。いや〜、本
編エピローグがアレでソレでコレだったもんで、こういう何でもない穏やかな日常風景は
読んでいて和むわ〜。その中で魎月と上弦の出逢いのエピソードのみ異彩を放ってはいる
けれど、既に事情を知った上で読ませて貰ったから割と冷静に構えていられたかな。まあ
分かっていても魎月と亮史はなかなかイコールで結び付かんよなーと思ったりしたけど。
その後に続く和み系なエピソードの中では、ツキの受難(或いは自業自得)話が一番好
みだった。……しかし、和む和むとは言ってみたものの、あの結末を思い返すと胸が詰ま
るような息苦しさにじわりじわりと締め付けられてしまうなぁ。結局ここに描かれている
全てが、どこまで先の未来を辿ったとしても二度と触れる事は出来ないものだから……。
既刊感想:1、2、3、4、5、6、7
□2007/04/01(日)ポストガール4
(刊行年月 2005.01)★★★★★★★☆☆☆(7/10)
[著者:増子二郎/イラスト:GASHIN/メディアワークス 電撃文庫]→【bk1】
シリーズ最終巻。……あれ? なんかこう期待してた部分から随分と外れてしまってた
ような気が……。確かシルキーにとっての“機械であるメルクリウスの中のバグ”=人間
らしい感情描写、より正確には特にその中でも恋愛感情方面に期待を寄せていた筈なんだ
けど、最終巻なのにそういうのがサッパリ話に上がって来なかったのでちとガックリ。
手紙を通じての様々な『出逢い』と『別れ』、そして『出逢い』と『別れ』を幾度も繰
り返して成長してゆくシルキーの中の“人間らしさ”を描く……というこの物語の短編連
作スタイルは最後まで変わらず。ただ、最終話だけはメルクリウス全体に対して、「人間
らしい感情表現や仕草とはどんなものか?」と問い掛ける感じで、これまでとは違う内容
に仕上がっている。ん〜、これはこれで興味深く考えさせられるもので良かったのだけど、
やっぱりシルキー個人に狙いを絞って欲しかったなぁ、というのが正直な気持ちかな。
既刊感想:1、2、3
□2007/04/01(日)シュプルのおはなし3 Grandpa's Treasure Box
(刊行年月 2005.01)★★★★★★★★★☆(9/10)
[著者:雨宮諒/イラスト:丸山薫/メディアワークス 電撃文庫]→【bk1】
おおおー! 面白いな! 『おじいちゃんの宝箱の中の宝物』ネタ勝負の連作短編スタ
イルだからか、何か以前読んでた時の私は妙にマンネリ化を心配してたらしいのだけど、
これだけ面白く読ませてくれる短編集なら全然危惧する事なんてないじゃないのさ。
いや、まあ、どれだけ“宝物”からネタを捻り出せるかに掛かっているからシリーズを
長く引っ張る程に苦しくなってしまうんじゃないだろか? って事を自分で読みながら考
えてたのだろうけど、余計なお世話な事この上ないな……。シュプルのおじいちゃんの思
い出を美化しまくりな空想話も、おじいちゃん視点で宝物の“本来の姿”を見せるオチの
付け方も、どのエピソードを取っても非常に秀逸。しかもそれぞれ違った味わい深さで楽
しませてくれる。今回の中では推理小説風味な第二話の『消えた金貨が』すげー好みで面
白かった。その他もエピソードも甲乙付け難く。三巻で打ち止めなのが勿体無いな〜。
既刊感想:1、2
□2007/04/01(日)結界師のフーガ3 見えない棘の家族
(刊行年月 2005.01)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:水瀬葉月/イラスト:鳴瀬ひろふみ/メディアワークス 電撃文庫]→【bk1】
読む期間が空いてしまった作品は毎度の如く過去感想に頼るとして。どうやら前巻まで
の不満点は絵馬の隻腕の事、結界師の事、逃がし屋を始めた事、倫太郎との関係の事……
などの事情が詳しく語られていない所にあったようで。それが今回ようやく大放出で一気
に解き明かされていたから、抱えていた不満は一挙解消ってとこなのかも知れない。
絵馬がずっと悔恨の念を抱き続けていた過去の事件=倫太郎との出逢いの切っ掛けとな
った事件そのものとの関わりではなく(もう終わってしまった惨事なので関りたくても関
われないのだけど)、それと非常によく似たケースの依頼と関わってゆくのが主な内容。
で、そこから過去の痛み、失意、悔恨、後悔などの清算を求めて普段とは一味違った面
持ちを見せながら絵馬が行動を起こす、と。希望としては過去回想でも良かったので、絵
馬が救えなかった倫太郎絡みの事件そのものを描いて欲しかったのだけど、類似ケースな
がら絵馬と倫太郎の両者の心の内を深く感じ取る事が出来たので概ね満足。シリーズ自体
はここで打ち止めらしいけど、少なくとも投げっ放しではないので不満もないです。
既刊感想:1、2
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